こんにちは!経済学ってなんだか小難しくて苦手な @kun_maa です。
僕は社会学部出身なので、経済学はよくわかりません。
そりゃ、授業くらいはとったことあるけど、根っからの文系人間なので高校でも微積分とか習ってないし、数式とか出てくるともうお手上げでなんだかやっぱり取っ付きにくい。
そんな僕でも楽しく読めたのがこの本。
「この世で一番おもしろいミクロ経済学」(ヨラム・バウマン 著 イラスト:グレディ・クライン)
ミクロ経済学がどういうものを研究対象とし、どのようなアプローチで課題となるものに向き合い、解決しようとしているのかということを漫画を使って、わかりやすく、そしてユーモアを交えて解説してくれます。
経済学の大前提は、この世のあらゆる人は「最適化する個人」ということです。
最適化する個人というと、身勝手で自己中心的なクズ野郎というイメージがあるけれど、実はそれだけじゃなくて、自分の欲求を満たそうとしている人すべてを指します。
だから、ただお金儲けがしたいという欲求だけじゃなくて、世の中をよくしたいとか、仕事したくないとか、美味しいものをたくさん食べたいとか、そういったあらゆる欲求をもつ個人の行動に視点を絞って見るというのがミクロ経済学の最小単位。
そして、そういった様々な欲求をもった個人同士の相互作用、さらに、様々な欲求をもった個人が大量にいる場合の相互作用といったものを研究対象にしているのがミクロ経済学なのです。
最適化しようとする個人の行動と、個人にとっての最適化の結果が集団にとってもよい結果になるのはどんな場合で、それにはどんな条件が必要なのかということがミクロ経済学の大きな研究テーマになるわけですが、それを様々な理論やわかりやすい事例を盛り込みながらザックリと理解できます。
ザックリと言っても、ミクロ経済学上押さえるべき部分はしっかりと押さえています。
それは、つぎのとおり。
1 人はトレードオフに直面する
2 何かの費用とは、それを得るために何を犠牲にするかである
3 合理的な人は限界で考える
4 人はインセンティブに反応する
5 貿易はみんなの得になりうる
6 通常、市場は経済活動を組織するよい方法である
7 政府はときに市場の結果を改善できる
これらを踏まえた上で、本文中では、有名な「共有地の悲劇」や「囚人のジレンマ」、「コースの定理」や「神の見えざる手」などについて、おもしろおかしく説明していて、とてもわかりやすいのです。
本格的なミクロ経済学を勉強したいという人には物足りないかもしれませんが、僕のように経済学に苦手意識をもっているけど概略を理解したいと思っている人や、とりあえずの入門書としてはとてもいいと思います。
ミクロ経済学を語る上では欠かせないゲーム理論はもちろん、人の不合理な行動を取り扱う行動経済学についても少しだけ触れているので、目先も変わって退屈しません。
なによりも漫画で話が進んでいくというのが、この本の取っ付きやすい大きな理由かもしれません。
ただ、このイラストが独特の絵なので、この絵が生理的に合わない人もいるかもしれないなとは感じました。
たぶん、この絵が生理的に受け付けないと、苦行以外のなにものでもないと思うので、興味のある方は実際に書店で手に取って確かめてから購入した方がいいかもしれません。
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