[ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

ぷるんにー(พรุ่งนี้)とはタイ語で「明日」。好きなタイやタイ料理、本や映画、ラーメン・つけ麺、お菓子のレビュー、スターバックスやタリーズなどのカフェネタからモレスキンやほぼ日手帳、アプリ紹介など書いています。明日はきっといいことある。                     

[ま]1000ドルゲノム〜10万円でわかる自分の設計図〜/僕のような文系ど素人こそ読んでおくべき一冊 @kun_maa

僕の好きな映画に「ガタカ」という作品がある。 

[ま]映画「ガタカ」/熱い情熱とイーサン・ホーク&ジュード・ロウの競演に目を奪われる青春映画 @kun_maa - [ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

この作品で描かれている近未来の世界では、遺伝情報が全てを支配している。

すぐれた遺伝情報をデザインして理想の子供を産み、そうした理想の遺伝子を持つものしか望みの仕事には就くことができない。

いずれはそんな世界が出現するのかもしれない。 

本書は、そんな「ガタカ」の世界を予感させるような、現在の遺伝情報をめぐる動静を知る上での基礎となる一冊である。

1000ドルゲノム: 10万円でわかる自分の設計図

1000ドルゲノム: 10万円でわかる自分の設計図

 
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本文だけで434ページという情報量、それも純粋な文系人間の僕には難しい内容で構成されており、正直なところ読むのに苦労した。全てを理解できているわけではないし、誤解している部分も多々あるかもしれない。 

それでも、あえて僕が理解したことをもとにすれば、本書に書かれていることはざっくりと3つに分けられる。

ひとつは、1000ドルの費用で人間の全ゲノム解析を可能にするための技術開発をめぐる科学者たちの苦労と戦いの歴史である。

どれだけ短時間で大量のゲノム解析をより安価に行うのか。数多くの科学者たちがこの技術開発に関わることで様々な技術が飛躍的に進歩してきた。まだ全ゲノム解析を行うためのコストは1000ドルをはるかに超えるということだが、それすらも近い将来には解決してしまいそうな雰囲気である。

 

ふたつめは、ゲノム情報をビジネスとして利用した企業の栄枯盛衰とその内部事情についてである。個人の全ゲノム情報の解析は、技術的にもコスト面からもまだ一般的なものではない。そこで、特定の疾病のリスク評価としてゲノム情報の一部を利用して顧客に情報提供を行うサービス(そう、あくまでも情報提供なのだ)を始めた企業が多数設立された。それらの企業が提供するサービスには正確さにかける部分やピックアップする遺伝子によって結果が大きく異なるなど信頼面でも不十分なものが多く、中にはインチキな遺伝子関連商品を売りつける詐欺的な会社や親心につけ込んだりする会社も現れたという。

自分が遺伝的にどのような病気になりやすいのかといったことを知ることは魅力的なことかもしれないが、それを悪用して根拠のない便乗商売の餌食になるのはごめんだ。

アメリカでは結局、ゲノミクス産業のあまりの野放し状態に対して政府による規制が進み、ほとんどの企業は個人へのゲノム解析の販売から手を引いたそうである。

 

そして最後にこれが本書の中心的なテーマだと考えられるが、1000ドルゲノム時代が到来することにより、いったい何が可能となり、どんな恐れがあるのかということである。それは例えば、個人に特化した医薬品の開発や、保険会社のリスク回避手段としてのゲノム情報の利用など様々な視点から語られている。

いずれ、好むと好まざるとにかかわらず、個人の全ゲノム情報を利用する社会がやってくる。それは素晴らしい面だけをもたらすものではない。差別や苦悩、誤解を生み出す元ともなりうる遺伝情報をめぐる近未来の社会の姿を知るためにも、特に僕のようなど素人必読の書ではないかと感じた。

そして、本書を読み終えた時点では、まだ日本では先の話だと思っていたゲノム情報をめぐる本格的な医療サービスが、ついに日本でも始まるということである。

化粧品大手のファンケルは21日、遺伝子検査サービスに11月1日から参入すると発表した。採取した口の中の粘膜から、心疾患や糖尿病、高血圧症などの生活習慣病に関係する遺伝子を解析し、検査結果に合わせて同社が開発したサプリメントを勧める。3年後には年間数十億円の売り上げをめざす。

 遺伝子検査を手がけるサインポスト社長で医師の山崎義光氏と提携し、生活習慣の改善でリスクを減らせる病気に対象を絞った。料金は1万4800円から。管理栄養士らが一人ひとりに合った食事や運動を提案し、オススメのサプリを買い続ける間はカウンセリングを受け続けられる。

 美肌やダイエットにかかわる遺伝子検査がほとんどの化粧品業界で、医師を巻き込み予防医療に取り組むのは珍しい。

アピタル 2014年10月23日の記事から引用 )

もうすでに、パーソナルゲノミクスの時代が始まっているのかもしれない。多くの課題を積み残したまま。 

1000ドルゲノム: 10万円でわかる自分の設計図

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関連してこれも読んでおきたい一冊。 

[ま]エピジェネティクスー新しい生命像をえがく/難しい!でも目が離せないおもしろさ @kun_maa - [ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้) 

エピジェネティクス――新しい生命像をえがく (岩波新書)
 
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