[ま]22:34に帰ってくるもの/タイで体験した本当の話 @kun_maa
僕は、これまで十数回タイを訪れています。あれ?もう20回くらいになったのかな?もうよく覚えていません。
これは、昔タイ人の友人宅に一週間ほど世話になったときの体験。
その家はバンコクの外れにあり、幹線道路からはちょっと奥まったところですが運河が近くて乗り合いボートも利用できるので不便は感じません。
郊外の住宅地なのでタイ人しか住んでおらず、周囲には沼地や湿地が広がるのんびりとしたところです。
昼間はみんなで一緒にいろんなところへ遊びに行き、夜は早めに帰宅して家でみんなでご飯を食べたり、テレビを見て過ごしました。
近所には野良犬がたくさんいるほか、各家でも犬を飼っていて人より犬の方が多いんじゃなねーかってところでした。
毎晩、ある時間になると、この犬たちが一斉に鳴き出します。
遠吠えやら、吠え立てる声やらが入り交じり大音響で一種異様な感じです。
なんだろう?と思って家のタイ人に聞いても「誰かが帰ってきたんだよ」と言います。
きっと、犬たちから嫌われている近所の人でも帰ってきたんだろうと思いましたが、窓から外の音を聞いても車やバイクの音はしません。
次の日も、また次の日も、毎日犬たちは決まった時間に一斉に鳴き出します。
犬が鳴き出したときに時計を見ると必ず 22:34 。
それから5分ほど鳴き続けるとピタッと鳴き止みます。
家の人に聞いても、みんななにやら戸惑った笑みを浮かべて「誰か帰ってきた...」と言うばかり。
5日目の夜、誰が帰ってきているのか確かめるために、思い切って外に出てみました。22:34 の少し前に。
家のタイ人たちは「見に行く必要ないよ...」と歯切れが悪い感じでやんわりと止めましたが気になってしかたなかったので。いつも親切な人たちなので誰か付いて来てくれるかなって思ったけどなぜか誰も来ようとはしませんでした。
道路に出て少し待つと近所の飼い犬たちが一斉に鳴き始めました。
野良犬たちが遠くの方から鳴き声とともに集団でゆっくりとこちらにやってきます。
よく見ると集団の真ん中にはぽっかりと空間が。まるでそこに「誰か」がいるかのように。
野良犬のなかには、明らかにその空間に向かって吠え立てているものもいます。
「誰か」って・・・
「誰か」を取り囲んだ野良犬の集団はそのまま運河のほうに向かって進み、その先の角で曲がるとピタッと鳴き止みました。
もちろん写真は撮っていません。だって、「誰か」が写ると怖いから・・・
翌日、犬たちが鳴き止んだ道の角に行ってみると1軒の空き家と不動産屋の連絡先が書かれた看板が風に揺れていました。
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