冒頭から突然なんなんですが、やっぱり最初に断っておかなくては誤解を招くといけないと思うので、一言だけ。
この本は「感じる」とタイトルにありますがエッチな本ではありません( ー`дー´)キリッ
たとえ話の中にエッチ要素が皆無かというと決してそんなことはないのですが、たとえ話や繋ぎの文章が非常にバカバカしくておもしろいので、難しい「科学」を身近に「感じる」ことができる本というのが正しい位置づけでしょう。
扱っている内容はとてもまじめです。
光、特殊相対性理論、万有引力、一般相対性理論、量子論などから、タイムマシンやワクワクする科学の発明(透明人間やテレポーテーションなど)、宇宙や進化論に至るまで、これでもかってくらいバカバカしくてくだらないたとえ話などをちりばめたり脱線しながら、科学的な知識が全くないような完全文系人間にもある程度わかるように解説してくれているスゴ本なのです。
この本のバカバカしさについては、著者自身が「まえがき」で次のようにカミングアウトしています。だから、この本のバカバカしさを怒ってはいけません。
はっきり言ってこの本は、「光や宇宙や相対性理論について説明した本」としては、過去にこの地球上で発売された中で最もバカバカしい本だと自信を持って断言できます(涙)。難しい数式など出てきません。数式の代わりに、バカバカしいたとえ話が無数に登場します。
なぜ著者はこのような本を書こうと思ったのでしょうか。
それは、宇宙や時間や生命の進化のことなどに対して、誰もが少しは興味をもっているはずなのに、既存の教科書や専門書、入門書までもがつまらなくてわかりにくいせいで、多くの人から取っ付きにくいと思われているのがもったいないという考えからなのです。
だからこの本がおもしろくないわけがない。
相対性理論や、宇宙に時間に生命の進化、それぞれの分野の研究が明らかにした事実というのは、どれも不気味で衝撃的で、初めて聞いたら誰もが「なんじゃそりゃ〜〜!!」と叫んでしまうくらいおもしろいものです。でもそれを説明する本の「真面目さ」「難しさ」という壁のせいで、多くの人がなんじゃそりゃと叫ぶ機会を失ってしまっていると、私は思うのです。
教科書的ではない言葉を使って、とてもくだらなくもおもしろく語られる相対性理論や量子論、宇宙の話などは今までにないある種の感動すら覚えるほどに、すーっと頭の中に入ってきます。
難しいものを難しく語ることは誰にでもできます。
難しいものを簡単に噛み砕いて語ってくれるというのは、貴重な読書体験です。
たまに脱線しすぎて、それはいいから早く続きを説明してよ!って思うこともありますが、基本的にはテンポよくわかりやすく、そして笑いながら難しい科学の基礎の基礎を楽しく学べます。
たとえばこんな感じです。ちょっと長くなりますが雰囲気をお伝えするため引用します。
ここからは、相対性理論のもうひとつの形である”一般相対性理論”について学んでいきたいと思います。そもそも、「特殊」の後に「一般」が来るというのは少しおかしな感じがするかもしれませんね。たしかに、「特殊」がついている方は本来特別であるべきで、特別なのに一般なものより先に堂々と出てこられてしまっては、さっぱりありがたみを感じません。私の家の最寄駅にあるスポーツクラブが「今なら入会金0円!」という特別キャンペーンをもう5年くらいずっとやっていて、もはや全然特別ではなくなっているという状況と同じですね。余談ですが、ランク制を導入している美容院の美容師さんのランクも、「アーティスト」だの「トップスタイリスト」だの「サロンディレクター」だの、どの名称も全部特別そうに感じるので結局どれが特別なのか全然わからなくなっています。
いかがでしょうか。導入部分で脱線して、話が先に進まなくなっていますが、だいたいこんな雰囲気です。
どうです?読んでみたいと思いませんか?
科学のおもしろさを教えてくれる入門書として、これはとても良い本だと思いました。
ワクワクするような科学の本をお求めの文系人間におすすめの一冊です。
文系の中学生が夢中になって読める本というコンセプトで書かれている本でもあるので、中高生にもいいかもしれません。
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