[ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

ぷるんにー(พรุ่งนี้)とはタイ語で「明日」。好きなタイやタイ料理、本や映画、ラーメン・つけ麺、お菓子のレビュー、スターバックスやタリーズなどのカフェネタからモレスキンやほぼ日手帳、アプリ紹介など書いています。明日はきっといいことある。

[ま]「ニュー・ハンガー」 ウォーム・ボディーズ プレストーリー/本編よりゾンビの終末感を味わえる小作品 @kun_maa

タイトルのとおり、映画化されて一躍有名となった「ウォーム・ボディーズ」の原作、アイザック・マリオンの「ウォーム・ボディーズ ゾンビRの物語」へと繋がるプレストーリーである。

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この作品、アメリカでも電子書籍でのみ配信された作品であり、翻訳本も同様に電子書籍のみの配信である。

物語の舞台は近未来のアメリカ。すでにゾンビによって世界は崩壊しつつある。

ストーリーは、自分の名前もわからないゾンビになりたての男(後のR)、アメリカ陸軍グリジオ大佐とその家族(娘のジュリーは後にRと恋におちる)、親に見捨てられたノラとアディスの姉弟の3組の行動をオムニバス形式で描いていく。

廃墟と化し、命の危険に満ちあふれた街をさまよう3者3様それぞれの物語。

本編である「ウォーム・ボディーズ」の原作はまだ読んでいないのだが、映画を観た限りでは、本編よりも終末感と絶望感が色濃く漂っている作品である。

後のRとなるゾンビの行動の不可思議さは、間違いなく本編への布石であり、ジュリーとその両親が目にするこの世の終わりもやはり本編での父親と彼女の行動原理へと引き継がれていくのだろう。

一番印象的なのは、両親に見捨てられ、6歳の弟アディスを連れて街をさまよい歩くノラの物語である。変わり果てた世界に無理にでも適応を迫られる幼い姉弟と容赦なく襲いかかる悲劇。

それぞれの物語の接点がないままストーリーは進行し、やがてシアトルを接点にして3つの物語はからまり合い、そしてまたすぐに離れていく。

物語に派手さはないが、むしろ淡淡と描いているだけに、その絶望感や深い悲しみが胸に響く。

全体を通して、ゾンビ発生による終末的な世界観を味わえるやや暗めの小作品となっている。ウォーム・ボディーズのプレストーリーとしては申し分のない世界を提示してくれており、僕のように映画のウォーム・ボディーズしか知らない人でも、あるいはゾンビ好きな人であれば十分楽しめる作品である。

映画のRはイケメンだったが、この作品からはその要素は読み取れなかったところがある意味よかった。

そして、不思議なことに映画を観たにも関わらず、本書を読むと間違いなく「ウォーム・ボディーズ ゾンビRの物語」を読みたくなる。

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ウォーム・ボディーズ [DVD]

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ウォーム・ボディーズ ゾンビRの物語 (小学館文庫)

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