2008年公開のアメリカ映画です。少しだけ残酷シーンがあるんで一応R-15指定ですね。
邦題は「ブラックサイト」ですが、原題は「Untraceable」です。追跡不能とでも訳すんでしょうか。殺人実況サイトの発信源が追跡不能って意味を含んでいるんでしょう。
でも追跡はできなくても最後は映像からあっさりと現場がバレてましたが。
ざっくりとストーリーを説明すると、殺人実況サイト内での連続殺人事件を追うFBIサイバー捜査官の物語です。そのまんまだし、ざっくり過ぎるだろ。
警官だった旦那と死別したシングルマザーのFBIサイバー捜査官ジェニファー役にダイアン・レインを起用しています。
ダイアン・レインは昔から好きです。僕より1歳年上の今年49歳。それなりにシワも増えていますが、彼女はいい感じで年齢を重ねていますね。
もう少し若い頃はこんなにきれいだったんだけど今は今で大人の魅力にあふれています。
突如ネット上に現れた殺人実況サイト「KILL WITH ME?」。
FBIサイバー捜査官のジェニファーやグリフィンらの必死の捜査にもかかわらず、次々とURLを変え、新たな犠牲者の殺人を実況していきます。
犠牲者は犯人に言葉たくみにおびき出されて、スタンガンで気を失わされます。そして目が覚めると有名な映画SAW(ソウ)のような殺人装置につながれているっていう状況。
そして、ネットで実況される殺人ショーへのアクセスが増えれば増えるほど、犠牲者は速く死に至るって仕掛けです。やり口がえげつないです。
興味本位でサイトにアクセスする一般の人々が、その気はなくても好奇心から殺人に加担することになるっていう設定は、ネットの在り方について説教のひとつもかましたいところなのかもしれませんが、無責任な視聴者の姿をそれほど丁寧に描いているわけではないのであまり深刻には心に響きません。
犯人の姿は比較的早々に観客に知らされますが動機はとりあえず謎に包まれたまま。
おまわりさーん、犯人はこいつです。
なぜこの犯人はネット上で殺人中継を行うのか、殺される人々に何かの関連はあるのかってあたりはとても関心を引くし、ストーリーの中核とも言える部分ですよね。前半はこのへんを巧く引っ張ってけっこう緊張感のあるいい作品なんですけど、謎が解けた後半はなんとも「え〜(;꒪ö꒪)」って感じです。
だいたい、引きこもりにあれだけの力技やコミュニケーション力が使えるのか?そんな行動力があるのに引きこもりだったのか?って真っ先に思ってしまった僕はひねくれ者でしょうか。
また、殺人の動機もなんともパッとしません。
結局は復讐なんです。そして最後まで復讐だけでいけばそれなりに説得力もあるんだろうけど、復讐の範疇を超えてしまうハードルが低すぎるせいで復讐心の切実さがぼやけちゃう感じ。安易な恐怖感を増長するために捜査官に簡単に手を出させちゃいかんでしょ。
話としては、前半の良さと対照的に後半の緊張感のなさがあまりにも安易で退屈。
あー、つい本音を書いてしまいました。
でも、それを補って余有るのがダイアン・レインの存在です。かっこいいです。
お色気シーンやド派手なアクションはないけど、きっちりとFBIしてます。
仕事ができる渋い大人の女性の魅力とでもいいましょうか。彼女がいるだけで画面が引き締まります。こんな女性となら僕もコンビを組んで仕事がしたいです。
そして、ジェニファーの相棒役グリフィンもいい味出してます。オタクっぽい雰囲気をまといながらも肝心な場面では男らしさも見せつけて、その姿に泣けてきます。
ちなみにグリフィンを演じているコリン・ハンクスはトム・ハンクスの息子です。
ちょっとお父さんに似てますか?似てないか。
殺人シーンや、犯行動機がわかるまでの緊迫感は、けっこうよかったと思いますが、それ以外にはダイアン・レインの活躍くらいしかあまり見どころもない感じの作品になっていて残念です。取り上げているテーマはおもしろいと思うんですけどね。
本当は緊迫感があるはずのラストシーンも、笑っちゃうくらい安易で「マジか?」って画面につぶやいてしまいました。あれはないわーww
ということで、結論はダイアン・レインを観るための映画でございます。
いやー、ホントかっこよかったですよ。彼女はね。
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