[ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

ぷるんにー(พรุ่งนี้)とはタイ語で「明日」。好きなタイやタイ料理、本や映画、ラーメン・つけ麺、お菓子のレビュー、スターバックスやタリーズなどのカフェネタからモレスキンやほぼ日手帳、アプリ紹介など書いています。明日はきっといいことある。

[ま]最後のどんでん返しが話題の恋愛小説「イニシエーション・ラブ」/ネタバレ無しの感想 @kun_maa

最後の2行のどんでん返しがすごくておもしろい恋愛小説という評判で手に取った一冊。

一部でミステリー小説との分類もあり、確かにそういう楽しみ方もできるかもしれないけど、僕はミステリーというよりは「パズル型恋愛小説」とでもいう方がピッタリくるかなって感じました。

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内容が内容なだけに、ネタバレ無しに感想を書こうとすると何を言いたいのかわからなくなると思いますが、それでも僕はこの小説はネタバラシをするべきじゃないと思います。だって、読む前にどんでん返しの仕組みを知ってしまったら絶対につまらないと思うから。

僕がブログで本の紹介を書くのは、自分が読んだ本をひとりでも多くの人が手に取ってくれるとうれしいなって思うからであって、偉そうに解説したり批評したりすることが目的ではありません(そんな力がそもそもないんだけどさ)。

最初に書いちゃいますけど、この小説には確かに最後の2行にどんでん返しがあります。でも、「これはすごい!」とか「必ず二回読みたくなる!」とかいう評判を鵜呑みにして期待値を上げすぎて読むとがっかりします。僕がそうだったように。

期待値を上げないで普通の恋愛小説として読み進め、最後のどんでん返しを迎えた方が間違いなく楽しめます。

普通の恋愛小説として読んでも、僕くらいの年代の人間(1960~70年代生まれ)にとっては自分の80年代の恋愛を思い出させてくれて、切なさと懐かしさでけっこうグッときます。もっと若い世代には80年代にはこういう恋愛の形がスタンダードだったんだよって楽しみ方もできますね。たとえばお父さんお母さんの恋愛がこうだったかもしれない。

 

繰り返しになりますが、これは恋愛小説として素直に読んで楽しむほど、最後のどんでん返しが生きてくるというタイプの小説だと思います。だから途中どんなに素直に読んでもちょっとひっかかるところがあると思いますが、そういう場面は思い切ってスルーしちゃいましょう。

そして、思いきり作者にだまされたあとで振り返った方が絶対に楽しいです。

間違っても、途中で謎を解き明かそうとしてはいけません。

もしかすると注意深く疑いながら読むと、途中でこの小説の違和感に気がついて下手をすると仕組みそのものに気がついてしまうかもしれません。

そう、最大のポイントは登場人物のすり替えと時間軸のミスリード。そして至る所にちりばめられた細かい伏線の数々。あ、ちょっと筆が滑っちゃった。

どうか余計なことは考えずに「マユ」と「たっくん」の恋愛小説を生暖かい目で見守ってあげてください。それでこそ最後の展開が生きる「パズル型恋愛小説」なのですから。

80年代の恋愛ってちょっとバブリーな面はあったけどそれなりによかったよね。そんなことを思い出させてくれる小説でもあります。読後の切なさはそのせいだと思います。 

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

 
イニシエーション・ラブ (文春文庫)
 

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