YouTubeで見つけた「Have the Homeless Become Invisible?」という実験動画。
妹や妻などの家族、叔父さんや従兄弟などの親戚がホームレスの格好をして路上にいたら気がつくことができるのかどうかという単純な実験の様子を写したものである。
実験の対象となる人物たちは、まさか自分の家族や親戚がホームレスとなって自分が通る路上にいるとは思わないから、当然誰も気がつかない。
視線はホームレスに向けているのに何も見えていないのだ。
そう、人は自分の見たい物しか見えない。
たとえ視界に入っても、興味も関心も無いものは見えないのだ。
単純な実験だし、僕だって見る前から結果はこうなるとわかっていた。
ちょっとアンフェアな実験だなって思いもある。
でも、目の前を通る家族から誰も気づかれることのない存在であるホームレスにスーッと感情移入してしまったとき、なぜか涙があふれて止まらなくなってしまった。
これは実験だし、もっとホームレスに目を向けましょうというキャンペーン映像なので、すぐに種明かしがされて実験対象者とホームレス役の家族・親戚は感動のご対面となるわけだけど、本当のホームレスは当然そんなわけにはいかない。
街角に誰からも顧みられること無く、それでも存在するホームレスと呼ばれる彼ら。
彼らも、もちろん誰かの家族であり親戚であり友人である。
でも、誰も彼らに気がつかない。そこに確かに存在しているのに誰の目にも留らない。
みんなが彼らをひとりの人間として興味関心を持てばきっと目に留まるはずなのに。
そこに人がいることに気づき、存在が気になるはずなのに。
自分も毎日なにも見ていなかった。
視界の片隅に彼らはいたはずなのに、その姿や顔なんて思い出すことができない。見ていないからだ。そして彼らは人知れずこの世界から消えていく。
そう思ったら、わけのわからない感情の高ぶりが込み上げてきて泣いてしまったのだ。
この涙は自己欺瞞の涙、偽善者の涙である。ただ泣いているだけで終わりにするならば。
せめて目をそらさずに、自分のできることをしよう。そう思わせてくれた映像である。
Have the Homeless Become Invisible? - YouTube
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