こんなこと偉そうに言える事ではありませんが、僕はけっこう親不孝ものです。
幼い頃は病気ばかりして心配をかけたくせに、大人になってから「親を喜ばすために生きてるわけじゃねーよ!」と言い放って両親をひどく失望させました。
高校も、大学も結婚も何一つ余計な口を挟まずに僕の好きなように進ませてくれたのに、突然家出をして数年間も音信不通になってみたり、家に戻るように説得に来た親に向かって「結局は俺のことより世間体が大事かよ!」などと反抗期の中学生のような暴言を吐いて親から勘当されたこともあります。
まあ、そんなこんなで現在は親とすぐ近所に住んでいるのですが、用事がない限りほとんど僕の方から会いに行く事はありません。専ら、親の方から時々心配して僕の様子を見に来る感じ。やっぱり親不孝は続いています。
もちろん、そんな関係なので親の誕生日はもちろん父の日や母の日も、もう十数年来、なにもお祝いをしてあげたことがありません。毎年、その日が過ぎてから「ああ、そう言えば今日は・・まあいっか」ってな感じ。筋金入りの親不孝ものです。
今年の母の日も完全スルーのつもりで何の用意もしていなかったのですが、彼女から「今日は母の日なんだからちゃんとお花でもケーキでもいいから何かプレゼントをして『ありがとう』っていいなさい!」ってきつく叱られました。
ということで、動機はまったくほめられたものではありませんが、慌てて花屋に行って十数年ぶりにカーネーションを買い、母親に『いつもありがとう』と言って手渡しました。
母親の第一声が「どうしたの?あんた大丈夫?」でした。
そりゃ突然カーネーションを抱えて親不孝息子が現れて「母の日だから」とか言い出したら、どうかしちまったんじゃないかと心配しますよね。もしくは「何か裏があるのでは?」と思われても文句は言えません。
さすがに彼女に叱られたからとは言えないので、「母の日って毎年忘れちゃうけど今年は思い出したからさ。思い出したときにプレゼントしとこうと思って・・・」となんだかわかったようなわからないような戯言を口にしていました。
とりあえず状況を理解した母親が、想像以上に喜んでくれたのがかなり胸に突き刺さりました。この程度の事でこんなに喜んでもらえるのかと。
「今年はカーネーションが高いんだってね」となぜかうれしそうに言う母親。
声を聞きつけた父親も、笑顔で奥から現れて「一杯やっていくか?」と言うので久しぶりに一緒にビールを飲みました。
近所に住んでいるのに、久しぶりに両親の顔をまともに見た気がします。
いつの間にかけっこうふたりとも歳をとったんだなあ。
そしてビールを飲みながらの話と言えば、いろいろな話題から最終的には僕の身体の心配ばかりに行き着きます。健康談義が鬱陶しいなあとは思いつつ、心配ばかりしてくれる両親の姿にちょっとウルっときて、慌ててトイレに立ちました。
トイレの中で、親孝行なんていつでも簡単にできるのに何もしない僕はバカだなあって本気で思うと同時に、こりゃ「父の日」も期待されちゃうなって心の片隅で思いそっとため息をつきました。
まだまだ親孝行をするにはケツをひっぱたいてもらわないとダメかもしれません。
あ〜こんな自分が情けない。
そして今回こんなダメ男のケツを叩いてくれた彼女にありがとう。
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