「みんなが橋から飛び降りたら、おまえも飛び降りるのか?」
たとえみんながやっていることでも、愚かなことはすべきでない。つまり、「その他大勢に従うのではなく、自分の頭で考えて行動しろ」という意味だ。(P.2)
自分が望む生き方をしながら、決して利己的ではなく、同時に他の誰かを助けるという著者自身の生き方や、「常識からはみ出して」自分の望む生き方を実践している様々な人々の例を紹介しながら「自分ルール」を作り、「当たり前」という常識の壁に立ち向かうための心がまえと戦略を熱く語っている一冊である。
僕は日本で使われている「ノマドワーカー」という言葉自体にはあまりいい印象を持っていない。働く場所を自由に選択するって言っても日本から出るわけじゃなし、カフェやファミレスでパソコン叩いているような仕事をカッコつけて言い換えてるだけの胡散臭さを感じているから。
著者自身は僕が悪印象をもっているいわゆる「ノマドワーカー」とはまったく違い、世界中を旅しながら、どんな環境でも仕事を精力的にこなす本物のノマドワーカーだ。
だからといってノマドワーカーになることを礼賛しているわけではない。
自分の望む生き方をプランニング・実践した結果が、著者の場合ノマドワーカーであったというだけだ。
著者が強調しているメッセージは「自分の人生を人の期待どおりに生きる必要なんてない」というもの。
これはとても難しいことだと著者自身も認めている。どうしてもそれをやりたいという強い気持ちと、困難に負けずにやり抜く心と勇気、決断力が求められるからだ。
もちろん、本書にはその困難を乗り越えるためのヒントとなる助言や提案が丁寧に語られている。
その熱量は時に危険さを感じるくらいに熱い。
「誰もが著者や彼の友人たちのようには自由に生きられないよ」という自分の常識的な部分と「もしかしたら、自分にも......」という気持ちの葛藤を呼び起す。
自分自身が本当に望む生き方をするためには、まず自分が何をもって人生を成功と考えるのか自分の目標とは何かが明確でなくてはならない。それがなければ何をどうやっていくかの方向性すら定まらないから。
そんなの当たり前だと思うけど、それができていないのが僕自身の現状であり多くの人もそうなんじゃないかなって思う。
自分の人生に必要なものといらないものがすぐに分けられますか?
自分が望んでいるものが明らかになれば、それ以外の不要なものを削ぎ落としていく。それは時に痛みや恐怖と闘い、勇気や決断力を必要とする。
でも、その作業なしには常識に囚われずに、本当に自分の望む生き方なんてできやしない。基本は自分が何を望んでいるのか、何を大切にしたいのか、そのためにはどのような方法があり、どのように生きることが必要なのかってこと。
本書は、その刺激的なタイトルはともかくとして、自分が望む生き方をするためのライフプランニングとそのための「自分ルール」の作り方、そしてそれらを支えるための仕組みづくりの必要性と手法について書かれている本であり、自分の今の生き方に違和感や疑問を感じ、本気で変えたいと思っている人にとっては起爆剤となる力をもっている一冊だと思う。
常識からはみ出す生き方 ノマドワーカーが贈る「仕事と人生のルール」
- 作者: クリス・ギレボー,中西真雄美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/07/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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