こんにちは!もっと情熱的に生きたい @kun_maa です。
昨日は自由参加の研修で、ある方の講演会に行ってきました。
その方は、気仙沼で牡蛎の養殖を営んでいる漁師の畠山重篤さんです。
現在は、「NPO法人 森は海の恋人」 の理事長をされています。
畠山さんが行ってきた活動は、次のようなものです。
気仙沼湾が赤潮被害で大きなダメージを受けたことから、海の環境を守るためには海に注ぐ川、さらにその上流の森を守ることの大切さに気づき、漁師仲間とともに「牡蛎の森を慕う会」を結成。1989年から気仙沼湾に注ぐ大川上流部で広葉樹の植林活動を行ってきました。
なぜ、海を守るために森を守る必要があるのか。
日本は約3万5千もの河川が海に注いでいる国です。
日本の漁場が豊かなのは、その川が運ぶ森の養分が海の食物連鎖の起点となる植物プランクトンを育んでいるからです。
たとえば、1キログラムの鰹が育つには10キログラムのイワシが必要です。
10キログラムのイワシが育つには100キログラムの動物プランクトンが必要です。
そして、100キログラムの動物プランクトンが育つには1トンの植物プランクトンが必要なんだそうです。
その植物プランクトンが必要とする養分は川を通して森から供給されているのです。
だから、森や川がその機能を果たさなくなれば、海も荒廃します。
そこで、畠山さんたちは、川の流域に暮らす人々と価値観を共有しなければ、豊かな海は帰ってこないと悟ったそうです。
平成元年から漁師と川の流域に暮らす人々がともに山に木を植える活動を続け、これまでに約3万本の落葉広葉樹の植樹が行われました。
また、森と川と海をひとつのものとして守るために教育の重要性を痛感し、平成2年からは、川の流域に暮らす子どもたちへの体験学習を実施。今までに1万人を超える子どもたちが参加しているそうです。
その活動は、日本だけにとどまらず、世界的な規模での環境問題を考える活動へと広がっています。
畠山さんがこの活動を始めたのは45歳になってからだそうです。
人間、本気になれば年齢なんて関係ないです。いつからだって遅いということはない。
お話のなかで、自分が物事の本質に触れたと思ったら行動することが大切なのだとおっしゃっていました。そして本質を掴んだ行動には必ず協力してくれる仲間が現れるとも。
何かが間違っている、それをあらためるためには何が必要なのかを真剣に考え、本気で行動してきた人の言葉は、口調は穏やかですがとても熱かった。
あの3.11で気仙沼は甚大な被害を被り、巨大津波の後、海は死んだように生き物の姿が消えたそうです。しかし、いま多くの生き物がすごい勢いで戻り始めているといいます。
それは、これまでの活動で育まれた森と川が生きているからです。
畠山さんは1943年生まれなので69歳です。
でも、とても69歳とは思えないパワフルなオーラを発しているとともに、活動に対する意欲にあふれている方でした。地球の自然環境を守るためにまだまだ、世界を変えようという気持ちがビシビシと伝わってきました。
「森は海の恋人」の活動は教科書にも載っているそうなので、20代の方はもしかしたら教科書でその活動を知っているかもしれません。
また、来年からは英語の教科書にも畠山さんが書いた「カキじいさんとしげぼう」(英題:Grandfather Oyster and Shigebo)が掲載されるそうです。
実はその本買っちゃいました。英語だけど大丈夫でしょう。
すごく刺激を受けたすばらしい講演会でした。
NPO法人「森は海の恋人」の活動はこちらからご覧になれます。
畠山さんについては著作も多数出版されています。とても興味深いものが多いです。