[ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

ぷるんにー(พรุ่งนี้)とはタイ語で「明日」。好きなタイやタイ料理、本や映画、ラーメン・つけ麺、お菓子のレビュー、スターバックスやタリーズなどのカフェネタからモレスキンやほぼ日手帳、アプリ紹介など書いています。明日はきっといいことある。

[ま]誰でも簡単にクリエイティブになれる?/成毛眞のスティーブ・ジョブズ超解釈 @kun_maa

こんにちは!「クリエイティブな方ですね」・・言われてみてぇ〜 @kun_maa です。
 
これ、おもしろい本です。
 
 

 

まえがきには「あなたは、決してジョブズのようにはなれない。それどころか、彼の生き方からヒントを得て、自分の新しい可能性を導き出そうとすればするほど、じつは成功から猛スピードで遠ざかってしまうのだ」という刺激的な言葉が踊っています。

 
それはどうしてかというと・・・

創造性というものは、”ほかと異なる”ということが大前提である。つまり、自分がほかの誰にも思いつかないことを実現できるということだ。これは有史以来決して揺らがない創造性の定義である。
しかし、100万人がジョブズの伝記やビジネス本、自己啓発書を読んでいる。これはつまり、「ジョブズっぽいがジョブズではない人々」という不思議な人種を100万人生み出しているのと同義なのだ。すなわち自分と同じような考え方の人が100万人いるのである。
よって、ジョブズに憧れて創造的になろうとする行為は、自分の競合を100万人増やしているだけなのだ。ジョブズの英雄譚を読めば読むほど、創造性とは真逆の方向に爆走するというのはじつに皮肉な話である。 P.14

 
でも、こんなことを言い出したらジョブズ本に限らず、ビジネス書と呼ばれる部類の本は、ほとんど当てはまっちゃうじゃないか・・と思ったら、著者は次のようにも述べているのです。

ジョブズのことをどれだけ詳しく知ったところで、あなたは100パーセント、ジョブズにはなれないし、さらにはジョブズのような天才になれる可能性まで減らしている。
ジョブズだけにかぎらず、誰か天才的な人の言葉を口にすることで、その天才に近づいている気になっているたぐいの天才音痴というのは存在している。最も性質が悪いのは、最近流行りの平積みビジネス書を片っ端から読みあさることだけを趣味にしている輩である。そんなことをしても、天才になるどころか、実際は全く逆で、ものすごい勢いで天才からかけ離れているのだ。 P.22

 
その上で、ジョブズ本だけではなく、偉人や哲学者が残した本というものは、それを使って人生を豊かにするために存在しているのだと述べています。
 
本の内容を猿真似して満足するのではなく、まずは自分の人生をしっかりと生きることを勧めています。
 
本の内容を受け入れるだけの人生は、自分の人生を荒廃させるだけだと。
 
このような本とのつきあい方も含めて、ジョブズに絡めて様々な成毛流「人生論」あるいは「成功哲学」のような様相を呈している本であり、決してジョブズ論ではありません。
 
また、ジョブズに対する評価もマイクロソフト寄りの見方になっているので、多くのジョブズ関連本とは一線を画すものであると思います。
 
笑ってしまったのは、次の部分。

「クリエイティブになれますよ」なんて書いているベストセラー本を読んでいる時点で、クリエイティブとは全く真逆の方向へ引っ張られていることに気づかなければならない。そして、今の時代に必要なのは、そのクリエイティビティの相対論に気づき、実際に行動し、創造性を発揮できる人だ。
まず家にあるビジネス書を残らず捨ててしまおう。何ならこの本もいっしょに捨てていいかもしれない。それが今からクリエイティブになれる、一番有効な方法と言えるだろう。
P.104

 
実際のところ、本書の表紙にもしっかり「誰でも簡単にクリエイティブ体質になれる方法」と書いてあるのです(笑)
 
ということは、本書にしたがえば、この本を読んでいる時点でクリエイティブにはなれないということになります。ちょっとぶっ飛んでますね。
 
それでは本書は読む価値がないかと言えば、僕はそんなことはないと思います。
 
働き方や生き方、時代の流れに対する著者の評論は非常に示唆に富んでおり、全てにおいて賛成というわけではないけれども、考えさせられるところも新鮮な気づきを与えられるところも多いです。
 
そして、最終章では「あなたをクリエイティブな人生に導く7つの習慣」というどこかで聞いたことのあるようなタイトルで、ちゃんと成毛流のクリエイティブ論が展開されています。
 
大雑把に要約すると、それはこんな感じです。
  • 偶然の出会いを楽しめ。
  • 憧れの人物を真似することでその人物の理想を身につけろ。
  • 大胆な仮説を自信を持って唱え続けろ。
  • 文章力を磨け。
  • 良い習慣を身につけることで自分自身をコントロールしろ。
  • やりたいことは片っ端から行動してみろ。
  • たくさんの可能性の中から自分が夢中になれるものを見つけ出せ。
 
大雑把すぎましたねw
 
気になる方はぜひ本文を読んでみてください。
 
クリエイティブになれるかどうかはさておき、最初に書いたとおり、間違いなくおもしろい本ではあります。
 
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