[ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

ぷるんにー(พรุ่งนี้)とはタイ語で「明日」。好きなタイやタイ料理、本や映画、ラーメン・つけ麺、お菓子のレビュー、スターバックスやタリーズなどのカフェネタからモレスキンやほぼ日手帳、アプリ紹介など書いています。明日はきっといいことある。

[ま]困難を乗り越える力 @kun_maa

こんにちは!困難に出会うと避けて通ろうとするクセがある @kun_maa です。

第二次世界大戦中、ユダヤ強制収容所で極限のストレス状況に置かれながらも、心身ともに健康な状態を維持できた人たちがいたそうです。
 
また、ユーゴスラビア解体の際の戦争激化地域において、複雑な民族紛争や国の解体、戦後の混乱を体験したにもかかわらず、ストレスにやられないどころか、そうしたストレスを成長の糧にして生きてきたような人たちもいるそうです。

同じ厳しい境遇におかれてもなお、そのような人たちがストレスに潰されることなく過ごすことができたのはなぜか。その研究をもとに導きだされたのが、「困難を乗り越える力(SOC)」なのです。

「困難を乗り越える力 はじめてのSOC」




困難を乗り越える力=SOC(Sense of Coherence)とは専門用語で「首尾一貫感覚」と呼ばれるものです。

簡単に言うと「人生で起こるさまざまな出来事を一貫して捉え、状況を理解・予測し、まわりの助けを得ながらうまく対処し、日々の営みへのやりがいや生きる意味を見出だすことができる」といった、その人の生活世界に対する信頼や人生への向き合い方のことだそうです。
 
SOCが高い人は耐久力や自分の意思や意向を貫けるというコントロール感が高く、楽観的で、人生に満足している人が多いといいます。

また、SOCの高い人は、現在のメンタルヘルスの状態がよく、また将来も良好でありやすいとして、近年SOCを高めることの大切さがメンタルヘルス分野で強調され始めています。

本書では、個人、他者とのコミュニケーション、組織のそれぞれの観点からSOCを高めるための方法を具体的事例などを取り入れながら解説しています。

SOCは、わかりやすく言うと、「わかる」「できる」「やるぞ」という3つの感覚から成り立っていて、この3つの感覚が高まると、困難をうまく乗り越えることができるようになります。

このように表現すると、自己啓発と同じではないかとの疑問が提示されることがあるそうです。
それについて筆者は次のように違いを説明します。

自己啓発の人生に対する見方は「人生は選択です。今の現実はあなた自身が招いたことです」というものではないだろうか。この前提のうえで、「もし現状に不満があるのであれば、まずあなたが変りなさい。変るときっといい未来になりますよ」と伝えることが多いようだ。つまり、自己啓発では、「生活世界と対峙する自己」が想定され、生活世界と比べて自分の存在や能力は優位にあるという確信や自分に対する信頼に光が当たっている。このため、「生活世界をより良い方向にコントロールするために、個人が変ること」がポイントとなる。
一方、SOCの人生に対する見方は、「生きていれば困難はあるものです。どれだけ素晴らしい人であっても、困難のない人生をおくることはできません」というものである。この前提のうえで、「あなたはこの世界でたったひとりしかいないステキな存在なのだから、今のあなたでいいんです。もし、現状に不満があるのならば、自分やまわりを冷静に見てみましょう。今の困難を乗り越えるための資源となるような情報や考え方、人やサービス等はありませんか?あなたを支えてくれる資源はきっとあるはず。そうした資源に頼ったらいいのです。大丈夫、きっとなんとかなりますよ」といったメッセージを伝えることになる。 P.52〜53

要するに、自己啓発は自分を変えることで問題に対処しようとするのに対し、SOCは自分を無理に前向きに変える必要はない、前向きになれないならそのままで、今の自分が持っている資質の中に役立つものはあればそれに、なければ他人に頼っていいんだよということになります。

ぜんぜん違いますね。

そもそも、SOCには長い年月をかけて「3つの良質な人生経験」を重ねていくことにより、徐々に高められていくという特徴があります。
 
そのため、「これをしたら必ず高まる」というような、大規模研究によって効果が実証されたプログラムはないそうです。

では、3つの良質な人生経験とはなんでしょう。それは次の3つです。
  1. 一貫性がある〜規律やルール、そのルールについての責任の所在、価値等が明確な環境のなかで生きる経験
  2. スパイスとなり得る程度のストレス〜バランスのとれた適度なストレスにさらされる経験
  3. 結果形成に参加できている〜自分の前に出された課題を受け入れ、責任をもって、なにをするのかしないのかを決定する経験
 
結局、SOCを確実に高めるためには、日々の人生経験によるしかないようなのですが、それでは本は終わってしまいますww

本書では、著者の研究成果等を踏まえて、生きていく上での様々な問題やストレスにいかにSOC的要素を高めながら対処していくかについて具体的かつ丁寧に述べられています。
キーワードは「わかる感」「できる感」「やるぞ感」の3つです。
ちなみに帯には次のように書いてあります。
「わかる」「できる」「やるぞ」で人生は変わる!(まるで自己啓発書のようだ・・)
 
興味がある方はぜひ本文を見てみてください。


<まとめ>
書いてある内容はわかりやすく丁寧なので理解はできるし、共感できる部分(特にありのままの自分でいいなど)も多かったです。
ただし、自己啓発書のように気分を盛り上げる即効性はありません。

SOCを高めるということは、じっくりと取り組み、自分の人格を形成していくとともに周囲も巻き込んでいく長い道のりのような感覚を受けました。

だからこそ、じっくりと本気で取り組めば成果も上がるように思います。

また、思春期にある程度SOCは形成されてしまうので、お子さんをお持ちの方が読んで子どものSOC形成に役立てるというのもありかなとは思いました。
 
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