僕はだれ・・どこからきて、どこへ行くの?
こんにちは!自分のブランドを気にしたことがない @kun_maa です。
セルフブランディングという言葉、横文字だしなんだか胡散臭い言葉だなと思っていました。
そう、この本を読むまでは。
なによりも、著者自らの実践に基づいて書かれているところが机上の空論ではなく、とてもわかりやすいところでしょう。
ソーシャルメディアの台頭により、相対的にマスメディアの影響力は弱まっています。
テレビや新聞を見なくても、TwitterのTLをながめていれば、その日にあった重要な出来事や事件なども知ることができるのが現状です。
実際テレビを見ない人も増えている気がします。
僕も最近家族団欒の時間に付き合いで見る意外にテレビを見なくなったし。
そのようなソーシャルメディアが影響力を高めている現代だからこそ、ソーシャルメディアを活用して情報発信を行う「個人」に注目が集まり、その個人がしっかりと認知されるための「セルフブランディング」が重要になってきているのです。
著者はセルフブランドについてこう述べています。
ブランドは他の人の心に影響を与えるものだ、という点です。ブランドについてはこの点が一番重要になります。つまり自分がどれだけ「こういうイメージを持って欲しい」と考えたところで、実際に他の人からそのようにイメージされなければ、それはブランドとはいえません。「こう思って欲しい姿を他の人がイメージしてくれる」、こうなってはじめてブランドが機能しているといえます。 P.46
だから、多くの人に知られていることとブランドを作ることは違うのです。
どんなに知名度があっても、そこからその人に対するイメージが浮かばないのならばそれはブランドとは呼べず、たとえ少数の人だけでもその人に対して明確なイメージを思い浮かべてくれるのならば、それは立派なブランドなのです。
ブランド作りと人気取りとは違うのです。
そして、このイメージには2つの方向性があると著者は述べています。
1つは「ブランド名がもたらすイメージ」
もう1つは「関連する事柄からイメージされるブランド名」です。
もちろん、ブランドの持つ影響力としては後者の方が強力です。
これはつまり、「あの人は〇〇関連の人だ」というものから「〇〇関連のことならあの人だ」という変化のことです。
僕もいつか、ほんの一握りの人たちからでもいいから「〇〇のことなら、kun_maaだ」と言われてみたいものです。
では、どうやって「個人」がそのようなブランドを作っていったらいいのか、それが本書のテーマです。
個人をブランディングしていく上で必要な心がまえとして、著者は次の5つを挙げています。ひとつひとつの説明はしません。
なんとなくイメージできると思います。詳しくは本書を読んでください。
- 「自分で行う」
- 「継続する」
- 「嘘はつかない」
- 「短期的な効果を求めない」
- 「自分だけを目立たせない」 P.52
これらの心がまえの上に立った上で、「何をしてきたのか」、「今何をしているのか・何ができるのか」、「これからどうしたいのか・何がしたいのか」を情報発信していくことがセルブランディングのポイントになってきます。
これを明確にするには自分を振り返ってよく見つめ、自分についてじっくりと考える作業が必要です。
だって、自分で自分がよくわからないのに、人に自分のイメージを持ってもらうことなんかできないですよね。
本書では、その具体的な方法についても触れられています。
僕が本書を読み終えて一番強く感じたこと、それは次の2点です。
まず、他人に自分の価値を認めてもらわなければブランディング自体が成り立たないのだから、日々の自分の情報発信、行動に自分の価値観に沿った一貫性がなければならないということ。
そして、自分の変化にそって見直しは行うものの、ブランディングに沿った情報発信をとにかく継続していくこと。短期間の成果は求めない。
最後に、「エピローグ『世界』が変わった感覚」という章があるのですが、この章は著者の想いがこもっていて特に興味深く読むことができました。
このエピローグだけでも読む価値はあるかなと感じる熱い締めくくりです。
特に気に入ったのは次の部分です。少し長くなりますが引用します。
ブログにしろツイッターにしろ、基本的に私は自分のやりたいことを自分のやりたいようにやっています。「こうすれば記事が人気になる」とか「こうすれば多くのフォロアーを集められる」という手法はほとんど考慮していません。ただ、自分のポリシーや価値観に沿った記事を書き続けてきただけです。結果的に、その実績に「価値」を見い出す人が現れたわけです。その価値を見いだしてくれた人とつながれたからこそ新しい出来事が生まれました。
今でも、私は「自分に価値がある」とは考えていません。単に、自分に価値を見い出す人もいるんだな、という印象があるだけです。よくよく考えてみれば「人の価値」というのは他の人が見い出だすものです。どれほど優れた技能を持っていても他の人がそれを評価しなければ価値は生まれません。逆に自分ではたいしたことがないと思っていることでも、他の人から評価されればそれは価値になります。 P.228