[ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

ぷるんにー(พรุ่งนี้)とはタイ語で「明日」。好きなタイやタイ料理、本や映画、ラーメン・つけ麺、お菓子のレビュー、スターバックスやタリーズなどのカフェネタからモレスキンやほぼ日手帳、アプリ紹介など書いています。明日はきっといいことある。

[ま]映画「アンフェア the end」の最新予告編が公開中/10年の歴史についに幕が引かれる @kun_maa

バツイチ、子持ち、大酒飲みだけど警視庁検挙率ナンバーワンの女刑事・雪平夏見が主人公のドラマ「アンフェア」も2006年のドラマのスタートからもう10年になるんですね。

僕はドラマをリアルタイムで観ていたわけではないのですが、ドラマのレギュラー作品全話とスペシャル版、劇場公開作品を全て観ているくらいのファンではあります。

ついでに言うと、iPhone の着信音は「雪平夏見風着信音」を使用していて、電話が鳴るたびに「はい、雪平」って声量を落としめの声で電話に出たい誘惑と戦っています。

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知っている人も多いと思うけど、ざっくりというと、刑事だった父の謎の死の真相を知るために刑事になった雪平を次から次に襲う事件と裏切りの連続が見どころのすっげーおもしろいドラマです。

ストーリーがおもしろいのはもちろんなんですが、雪平役の篠原涼子の魅力炸裂です。

たぶん6対4で篠原涼子の魅力の勝ちです。観てると惚れます。

 

そんな大好きな「アンフェア」もついに終わりを迎える時がきたようです。

大好きなドラマもいつかは終わるものです。わかっているけどちょっとさみしい...でも、早く観たいっていう心の葛藤を抱えています。大げさか!

 

前作の「アンフェア the answer」の公開から、もう4年近くも経つんですね。

誰が裏切りものかっていうのを考えながら観るのも魅力のひとつの作品ですが、アンフェア the answer」は裏切りだらけで、「え?お前もか!!!」っていう印象が強かったのですが今回の作品はどうなるのでしょう。

 

予告編の冒頭では、これまでの作品の登場人物がフラッシュバックのように次々と登場します。三浦春馬西島秀俊瑛太香川照之椎名桔平濱田マリ江口洋介大森南朋山田孝之とか豪華すぎるでしょ。

そしてそこからの「アンフェアなのは誰か?」と書かれたしおりと、西島秀俊の演技が印象的だった「推理小説事件」を思い出させる今回の事件へのつながり。

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目まぐるしく変わる場面から感じる迫力の緊迫感と、またまた多くの裏切りを予感させるシーンの連続。

雪平夏見は真実を白日のもとに晒し、父親殺しの最後の黒幕にたどり着くことはできるのでしょうか。

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予告編を観たら最後、もうめちゃくちゃ気になります。

三代目 J Soul Brothers の歌う主題歌も、切なげなメロディが作品を盛り上げてくれそうな予感がします。かっこいいっす。

...アンフェアなのは誰なのか。

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これまで積み残してきた全ての謎が解き明かされると思うと、本当ワクワクして夜も寝られません。

でも、2015年9月5日公開なんですよね〜。まだ2ヶ月も先じゃないか〜(꒪⌓꒪)〜

予告編で、こんなシーンを見せられたらもう心配で心配で。

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雪平、死ぬなよ。お願いだ...


「アンフェア the end」予告 - YouTube

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[ま]映画「バケモノの子」公開記念で金曜ロード SHOW ! 三週連続(7/3〜)細田監督作品を放送&その他のコラボ情報 @kun_maa

おおかみこどもの雨と雪」以来、3年ぶりとなる細田守監督の新作「バケモノの子」が2015年7月11日(土)から公開されることを記念して、日本テレビ系列の「金曜ロード SHOW !」で7月3日から三週連続で細田監督作品を放送するそうです。

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スタジオ地図LINE公式アカウントから

放送作品と放送日時は次のとおり。

7月3日(金)が「サマーウォーズ」(2009年)21:00〜22:54

7月10日(金)が「おおかみこどもの雨と雪」(2012年)21:00〜23:19

7月17日(金)が「時をかける少女」(2006年)21:00〜22:54

 

細田作品ファンにとっては、これまでの劇場版アニメ3作品をまとめて観ることができる絶好のチャンスです。

もう、日テレさん全力推しです。

三週連続放送に合わせて、「みんなで選ぶ名シーンランキング」というデジタル企画も用意されています。

それぞれの放送中に自分が好きなシーンを特設サイトやデータ放送画面で選ぶと、それが集計され、放送終了後に特設サイトで名シーンランキングが発表されるんだとか。

また、この企画に参加すると、「バケモノの子」の鑑賞割引券や細田監督のサイン色紙などのプレゼントもあるそうなので、もう参加しない手はありませんよ、兄貴。って誰?

すごいな日テレ。

 

また製作したスタジオ地図では、「金曜ロード SHOW !」の3作品放送に合わせて「一緒に見よう!企画」と題して、それぞれ20:00〜24:00ごろまで、LINE生放送とニコニコ生放送を企画中だとか。

詳細はまだ発表されていませんが、気になる方は「LINEスタジオ地図公式アカウント」で順次公表されるようなので、LINEで公式アカウントを登録しておくといいでしょう。

僕も登録してます。

 

映画「バケモノの子」は、他にもサントリーの「GREEN DA・KA・RA」とのコラボCMを製作したりして、宣伝に余念がありません。

テレビCMの第1弾は昨日(6月27日)からはじまっているので、見かけた方も多いのではないでしょうか。


GREEN DA・KA・RA『差し入れ』篇 15秒 サントリー CM - YouTube

 

CMの第2弾は7月1日からオンエアされます。

このコラボでは、テレビCMの他にもウェブ限定の80秒動画もあり、7月13日からサントリーの公式サイトに掲載予定です。

www.suntory.co.jp

 

そして、同じ7月13日からは「GREEN DA・KA・RA」×「バケモノの子」のオリジナルLINEスタンプも登場する予定。楽しみですね。

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「GREEN DA・KA・RA」公式サイトから

 

最後に「金曜ロード SHOW ! 」を見逃してしまった方のために、Huluではまだ時期未定ですが、この夏に上記の三週連続放送作品を配信する予定だとか。

さすが日テレ系列の Hulu です。日テレさん力入れすぎです。

Huluに加入されている方はもちろん、未加入の方も2週間お試し期間があるので、配信に合わせて無料試聴もありだと思います。

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これで「バケモノの子」を映画館で観れば、この夏の細田監督作品鑑賞に死角なしです。大げさか!

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[ま]映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」/僕は言葉を失い2時間が瞬く間に過ぎた @kun_maa

前作の「マッドマックス  サンダードーム」から実に30年ぶりの新作となる「マッドマックス  怒りのデス・ロード」がついに2015年6月20日公開されました。

主演のマックスを演じるのはメル・ギブソンからトム・ハーディに変わったけど、脚本・監督はこれまでと変わらずジョージ・ミラーが務めています。

そして、そこに描かれていた世界は「どうせ過去作の焼き直しみたいなもんでしょ?」って舐めていた僕の想像を大きく超えてぶっ飛んだ世界でした。いや、マジ最高です。

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過去3作のマッドマックスは、どちらかというとスロースタートな作品で、冒頭はそれほど激しいシーンが登場することはなく、次第に盛り上がっていくってのが定番で、途中にも中だるみに感じられるアクション以外のシーンがけっこう挟まっているんですが、この作品は違います。

 

冒頭に、わずかにマックスのトラウマフラッシュバックの静かな狂気に包まれたシーンがあったかと思ったら、即終末感丸出しのヒャッハー祭りのアクション突入。

いきなり捕まったマックスは白塗りの武装集団「ウォーボーイズ」(ウォーターボーイズじゃないよ)のひとりであるニュークス(ニコラス・ホルト)への血液供給源にされて、車の前部に鎖で繋がれ磔にされる始末。

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そして、ほぼ全編を通して続く激しくて大規模なカーチェイス!爆走!爆発!銃撃!やり投げ!ぐちゃぐちゃ!もうなんでもありです。

こりゃもうたまりません。マッドマックスファン感涙ものです。

 

だってマッドマックスの一番の魅力の部分だけで構成されているような作品なんですよ。

2時間があっという間に感じるほどに画面に魅せられます。

もう、すっげー!かっこいい!イカしてる!狂ってる!ってな平凡な言葉しか出てきません。あまりのことに言葉を失います。僕の貧弱な語彙力では表現できません。すごい作品です。

 

まともな車なんて1台もなく、登場するのはすべて改造車。乗り込んでいるのは異様な風体のヒャッハーな男たち。これだけでごはん3杯はいけます。

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シリーズの代表作であるマッドマックス2を濃厚にして、さらにじっくり煮詰めたような作品です。

そこには過去の作品にあったような、ややコメディっぽい部分も、ティナ・ターナが見せたような人間らしさの欠片もありません。 

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よくぞ作品のエッセンスをここまで煮詰めたものだと感心します。

第1作目のような低予算作品からは想像もつかないほどの破壊と爆破の連続です。

あまりのうれしさに腰を振りながらウレション漏らす犬のようになってます。 

 

ちなみに、今回の悪役のボスであるイモータン・ジョーを演じているのが第1作目で暴走族のボスであるトーカッターを演じていたヒュー・キース・バーンだと知って、もうそれだけでも感無量です。

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ボスが意外とあっけなく死ぬという伝統(?)は今回もしっかり守られているので、イモータン・ジョーがどんな最後をあっけなく遂げるかご注目ください。

ストーリーを語ってしまうとあまりにも単純すぎて「えええ?」と思うのもマッドマックスらしくて好感度アップです。

 

過去の作品との接点はないに等しいので、前3作品を観ていなくても十分楽しめますが、過去作を知っているとショットガンの不発だったり、婆さんがショットガンを撃ったり、車の先に人間を磔にしたりといった過去作へのオマージュもきっちり入れ込んでいるところが心憎かったりもします。

 

タイトルはマッドマックスだけど、本当に狂っているのはマックスじゃないし、主役もマックスなのか?って個人的には思うことの多いシリーズですが、今回のマックスはなぜかすんごいトラウマに囚われていて、フラッシュバックがハンパなかったりもするので本当に「マッド」な印象が強かったです。

でも、主役としての存在感は今までの在り方を踏襲している感じで、シャーリーズ・セロン演じるフュリオサやニュークスに食われ気味なのが逆にうれしかったりします。そう、マックスはこうじゃないとダメなんだよね。百人力の無敵のヒーローではないんよ。

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とにかく、まあすごい作品ですよ。

登場人物、カーアクション、爆発、終末感、狂った感覚、迫力とどれをとってもすっげーとしか言いようのないほど圧倒的な作品の存在感。

とりあえず観てくださいって感じです。それが一番いいと思います。

 

そして、ぜひこの火を吹くギターとドラムと大音量のスピーカーを載せたキ◯ガイのような改造車もお見逃しなく。まあ、いやでも目に入るけど。

これも客観的に見たら変だとしか思えないのに、作品中ではめちゃくちゃかっこよく感じるから不思議です。狂ってるよなあ。

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マックスのトラウマの原因やフュリオサの左手が義手である理由、ウォーボーイズはなんであんな格好で死期が早いのかなど考えると気になる点はありますが、とりあえずそういうことは忘れてスカッと楽しめる迫力満点の作品です。

僕は3Dがあまり好きではないので2D作品を観ましたが、気にならない方は 3D や IMAX でご覧になるのも迫力が増しそうでいいかもしれません。

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[ま]映画「マッドマックス」/メル・ギブソン主演の1作目はヒャッハーじゃなかったんだぜ @kun_maa

マッドマックスシリーズの30年ぶりの新作となる「マッドマックス  怒りのデス・ロード」が、いよいよ明日(2015年6月20日)から公開されます。

ポスターや予告編を見る限り、ヒャッハーな終末世界が描かれているようでとても楽しみです。

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あまりに楽しみなので、マッドマックスシリーズの4作目となるこの作品が公開される前に、かなーり前に観た元祖マッドマックスを観ておくべきだろうと、メル・ギブソン主演の第1作目を久しぶりに観ました。もう何回目だろうか?

 

この第1作目は1979年公開なので、もう36年前の作品です。びっくりですね。

メル・ギブソンがめちゃくちゃ若いです。

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ところで、マッドマックスといえば「北斗の拳」の終末世界観に影響を与えた作品として有名なので、ものすごいヒャッハーだと思っているじゃないですか。

でもそれって大きな思い違いでした。

舞台は荒廃した近未来という設定だけど、街はちゃんと存在するし、警察機能も存在しています。

マックスの制服も小綺麗だし、ちゃんとした家も家族もいます。

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登場する悪役はいわゆる暴走族ですが、まるっきりヒャッハー感はありません。

笑っちゃうくらい極々普通の暴走族。モヒカンとかマスクとかいませんから。

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仲間を殺された暴走族が、警官のマックスと相棒のグースの命を狙うという設定なんですが、グースを焼き殺されてすっかり嫌気がさしたマックスが警察を辞めようとしたら上司に慰留されて、とりあえず休暇をとって家族旅行に出かけたら、例の暴走族と偶然出会って妻子を殺されるというちょっとダラけた展開です。

あれ?こんなだったかな?って自分の記憶を信じられなくなりました。

 

もっと荒廃した原野で、イカれたモヒカン野郎やマスクやチェーンやボウガンが出てきて、ヒャッハーしてる奴らをぶちのめす映画じゃなかったっけ?

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そう、違うんですよ。第1作目はそういう作品ではないんです。

第2作目からが終末感丸出しのモヒカンたちがヒャッハーしている作品なんですよ。

完全に記憶が入れ替わって上書きされていました。

人間の記憶なんてホントいい加減なものです。あれ?僕だけですか?そうですか。

 

妻子を殺された(正確には奥さんは作品上で死んでないけどね)マックスの、暴走族に対する反撃はあまりにも力の差がありすぎてあっけないです。

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もっと戦闘シーンが長かったような気がしていたけど、これも完全に記憶違い。

全部で約1時間半のうち、マックスによる暴走族への復讐劇はわずか15分程度。

ちょっとピンチ!って思ったシーンもあっさりと逆転して、もっと手ごわいかと思っていたババ(暴走族のリーダーであるトーカッターの腹心)もあっけないほど簡単に死亡。

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こんな顔したトーカッターも追い詰められた末に自爆で昇天!ってあっけなさすぎるわ。

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マッドマックスの第1作目は、記憶と違ってかなり地味で終末さに欠ける作品でした。

もうね、自分の記憶は信じられないですよ。完全にマッドマックス2とごっちゃになっていました。

2はいいですよ。完全にヒャッハーしているから。北斗の拳の世界ですからね。

あくまでも、北斗の拳マッドマックス2を真似したんで、マッドマックスの方が元祖なんだけどさ。

 

それでもマッドマックスは、マッドマックス2に比べると地味な作品ですが、それだけに見えてくる掛け値なしの狂気ってのがあるんだなあ。

ヒャッハーだけがマッドマックスじゃないってことを知る上でも、再度原点に戻ってこの作品を観てみることをおすすめします。 

マッドマックス [DVD]

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マッドマックス(字幕版)

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[ま]映画「チャッピー」/AIの脅威を描いた作品かと思いきや白紙理論とか人間の未来像とか @kun_maa

舞台は近未来の南アフリカ。世界有数の犯罪都市ヨハネスブルグです。

近未来といっても、警察ロボット「スカウト」が登場する以外はほぼ現代の風景なので全くと言っていいほど違和感はありません。

一応、年代は2016年という設定なのでそれほど現代と変わらなくて当たり前ですね。

 

このスカウトは、ある程度の人工知能を取り入れて思考するロボットであるため判断力をもち、単品として人間の警察官の代わりを務めることができるという優れもの。

タフで正確で、感情を持たないスカウトは犯罪組織にとっては脅威であり、警察にとっては便利な道具となっています。その実績から製造会社である軍事企業テトラバール社には警察から大量の追加注文がくるほどです。

 

そんなスカウトにも運が悪い奴ってのはいるもので、22号機と呼ばれている機体は車にはねられたり、ロケットランチャーの直撃を食らったりとたびかさなる不幸で修理も出来ない状態になってしまいます。

 

この22号機が廃棄処理になる寸前に、スカウトの開発者であるディオン(デーヴ・パテル)により勝手に持ち出され、彼が開発した感情をもつ「AI」をインストールされたのがタイトルにもなっている「チャッピー」なのです。

だからチャッピーは見た目こそ警察ロボットだけど、まっさらな状態の心をもつ赤ん坊のような存在なのです。

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作品を実際に観るまでは、チャッピーがどんどん心を進化させて、人間の脅威となるというストーリーなのかと思っていました。

チラシにも「・・・ボクを・・・なぜ怖がるの?・・・」ってコピーが書いてあったし。

人工知能(AI)の性能が人類の知性の総和を超える特異点である、いわゆる「シンギュラリティ」が描かれているのかと思ったのです。

 

でも、ぜ〜んぜん違いました。

「AI」の脅威なんてさっぱり描かれてはいませんでしたし、シンギュラリティ? なにそれ美味しいの?ってなもんです。

生まれたての赤ん坊と同じ状態の「チャッピー」がギャングによって育てられることで、どのように育つのか?というのがひとつの見どころではあります。

 

チャッピーの生みの親である科学者のディオンは、チャッピーに悪いことをしてはいけないと教えます。

ギャングの妻であるヨーランディは、可愛らしいチャッピー(これが本当に可愛らしく見えるんだよね)に母性本能爆発で、ギャングとしてだけではなく人間として自由に生きられるように育てたいと思っているようですが、ギャング生活の中ではなかなか思うようにはできません。

ギャングであるニンジャはチャッピーを一人前のギャングとして使い物になるように悪事を教え込み、利用しようとします。

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その様子はまるで、人間の心は白紙の状態で生まれてきて、経験(後天的条件付け)の結果で聖者にも泥棒にもなるというジョン・ロックの白紙理論を思い出させます。

そしてディオンの教えと、ギャングとしての環境で育つ自分の行動との間での葛藤がものすごく描かれているのかと思いきや、実はそうでもありません。意外と脳天気。

楽しそうにギャングスタイルを謳歌し、武器の扱いにも慣れていくチャッピーに、まさに後天的な条件次第で心の有り様は決定づけられるんだなあなんて思わされたりもします。どんなにすごいポテンシャルをもっていても、しょせんドキュンな親に育てられれば、ドキュンの再生産にしかならないのかと。

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決定的だったのは、廃棄処分予定の本体を使ったことにより自分の体が修理不可能な状態で、5日間しか生きられないというのをチャッピーが知ってしまったことなんですよね。

「死にたくない」って思うのは心がある証拠です。

悪いことをしなければ自分が死ぬけど、悪いことをすれば、そのお金で新しい体が買えて生きることができるとギャングに騙されたチャッピー。

善良に生きて惨めな死を迎えるよりも、悪の道を歩んで生きることを選びます。

そんなチャッピーを一体誰が責められるでしょうか。

自分の命よりも他人の命を優先させた者だけがチャッピーに石を投げつけなさい!

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そこには、ヒュー・ジャックマン演じる同僚科学者が嫉妬心から引き起こす悪事や、ギャングの親玉の思惑なども絡んで大事件へと発展していきます。

そんな大混乱の中でも、白紙理論だけでは説明できないチャッピーの「良心」と驚くべき利他的な行動。そして、悪意に対する「赦し」の気持ちが描かれていてグッときます。

心は決してまるっきりの白紙で生まれてくるわけじゃないんだよって。

 

結局、自分勝手で醜いのは人間って話もあります。

そして神秘的な存在であるはずの「心」を、あのようにあっけらかんと、あからさまに物的(というかデジタル)に扱われると逆に清々しさすら覚えます。

そんな心に対する扱いがあってこそのあの結末なんだとは思うのですが、これはストーリーの中に出てきた絵本の黒い羊の存在を意味するのか、それとも黒い羊がスタンダードとなる前触れなのか。

ネタバレにならないように書いているので、まだ観ていない人は何を書いているのかさっぱりわからないのではないかという危機感をもちながらも、あれが人間の未来像だったとしたらかなり嫌だな、銀河鉄道999だなって思うのです。

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意外と激しめの戦闘シーンは楽しめるし、チャッピーとヨーランディのふれあいのシーンには心がふんわりとします。

そして、チャッピーの健気さと利他的な行動には涙があふれるなんてこともありました。

ギャング役で登場している南アフリカのラップグループ「Die Antwoord」の2人(ニンジャとヨーランディ)もいい味出しています。

彼らの楽曲もイカしているので是非聴いてみてください。


DIE ANTWOORD - UGLY BOY - YouTube

 

ということで、個人的にはけっこうオススメの作品なんですがイマイチ人気がないんでしょうか? 僕の周辺の映画館では、1日2回しか上映していないところばかりでかなり残念な状況です。おヒマなら観てよね〜♪

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[ま]映画「レスラー」/不器用で愚かな男が唯一の居場所に殉ずる姿に僕は感動する @kun_maa

2008年公開のアメリカ映画。

主演はあのミッキー・ロークだ。

僕にとってのミッキー・ロークは、1980年代の超かっこよくてセクシーな男の代表格だった。彼が持っているものを何ひとつ持っていない僕の憧れのスターだった。

その後のボクサーへの転向、猫パンチと揶揄されたボクシングの試合や整形手術、激太りなどの話題は辛いものがあったが、実のところ今でもミッキー・ロークは、僕にとってナインハーフのジョン・グレイであり、エンゼルハートの探偵ハリーであり、死にゆく者への祈りのマーティンなのである。顔はずいぶん変わっちまったけど。

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そんなミッキー・ロークが、80年代に全盛期をむかえて活躍したかつての名レスラー役を演じて話題となったのが、この「レスラー」という作品だ。

ミッキー・ロークの俳優としての実際の栄光と挫折の姿と、役上のプロレスラーであるランディの姿がダブって見えることでも評判となったこの作品、第65回ヴェネツィア国際映画祭では金獅子賞を受賞したほか、第66回ゴールデングローブ賞主演男優賞及び歌曲賞を受賞。受賞は逃したものの、第81回アカデミー賞にも主演男優賞と助演女優賞にノミネートされた。

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ストーリーはいたって単純である。

1980年代に栄光を極めた人気プロレスラーだったランディ(ミッキー・ローク)は、すでに全盛期を過ぎ去り、現在はローカルなプロレスのリングに週末だけ上がってわずかなファイトマネーを得ながら、平日はスーパーでのアルバイトをしてトレーラーハウスで独り暮らしの身。ボロボロの肉体を酷使しながらも、過去の栄光を忘れられずにいる。

実際には栄光も金も家族の愛もすべて失い、端から見れば惨めな生活をおくっているのだが。

それでも、プロレスの舞台に立つことができればまだよかった。筋肉を維持するためのステロイドなどの薬物の長年の摂取により、ランディはある日試合後に心臓発作で倒れてしまう。心臓バイパス手術を受けるほどの重症である。

医師からは、もうプロレスをすることは無理だと告げられてやむなく引退を決意。

むかつく上司に頼んで、フルタイムでスーパーで働くことにした。

意気消沈したランディは、なじみのストリッパーに告るも見事玉砕。

疎遠になっていた娘ともなんとか関係を修復できそうだったのに、コカインをキメて見知らぬ女とのセッ◯スに溺れたせいで、約束をすっぽかしてしまい愛想を尽かされる。

もう自分にはプロレス以外に何も残っていないと悟ったランディは、爆弾を抱えた心臓でファンが待つ試合のリングに立つ。

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と、まあこんなストーリーだ。

ボクシング作品であれば、この最後の試合で見事相手をノックアウトして、栄光の道にカムバックっていうのが王道だが、そこはプロレスの世界を描いたこの作品。

そんな王道はとても歩けない。

控え室では試合の段取りや試合内容の打ち合わせがレスラー間で行われ、リングでは口汚く罵り合う相手とも控え室ではお互いを称えあう仲間どうしという、そこまでショービジネスの部分を見せちゃっていいのか?ってくらいプロレスの裏側を赤裸々に描いている。

ついでにいうと、筋肉増強剤などの薬物取引の場面なんかもある。

 

これでは「絶対勝てないと思われていた試合に奇跡的な勝利をおさめて見事カムバック!」という王道の結末を迎えたところで誰も感動しない。

だって打ち合わせどおりだろ?ってね。

 

そこで注目されるのがランディの人生そのものである。

不器用で愚かだけど、人生のすべてをプロレスにかけてきた男の生き様をミッキー・ロークが見事に演じきっている。

本当にダメ親父で、不器用で、だけど実は寂しがりやで心優しき男ランディ。

スーパーでのルーチンワークに嫌気がさして、自分の手をチーズスライサーにぶつけて血だらけになりながら激昂して仕事を辞めるランディ。

偉そうにしてんじゃねえ!俺は辞めてやる。チーズが欲しいって?てめえで取りやがれ!うんざりだ!辞めてやる!

試合に出たらたぶん死ぬだろうということはわかっていても、そこにしか自分の居場所がないことをいやというほど気づいてしまったランディのセリフと、入場曲として流れる80年代の名曲 Guns N' Roses の「Sweet Child O' Mine」が泣ける。

俺にとって痛いのは外の現実の方だ。もう誰もいない。ほら、あそこが俺の居場所だ。行くよ。

ボロボロの身体を酷使し、止まりそうな心臓の痛みに耐えながら、それでもランディはファンサービスを忘れない。

ランデイの体調を心配した相手のレスラーの「ほら!もういいから早くフォールしろよ」という言葉には耳を貸さず、最後は自分の必殺技である「ラム・ジャム」を決めるためにフラフラになりながらもリングコーナーからダイブする。

そんな衝撃に耐えられる体はもう持ち合わせていないのに。

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この作品、ストーリーが単純なだけにミッキー・ロークの主演なくしては成立し得ない作品である。

当初はランディ役としてニコラス・ケイジがキャスティングされていたという話だが、彼ではここまでの感動作となったかどうか。

ミッキー・ロークのやさぐれた中年男の、人生に倦み、疲れはてたような気持ちがにじみ出ている演技がなくてはこのドラマは成り立たない。少なくとも僕はそう感じた。

そして、そんなランディが自分の唯一の居場所であるリング、それも唯一の友であり家族であるファンの声援を全身に浴びるリングに殉じようとする姿に感動するのである。

それにしても、あの場面で Guns N' Roses の Sweet Child O' Mine は反則だ。

プロレスやミッキー・ロークのファンはもちろん、80年代を駆け抜けたおっさんにもおすすめな泥臭い作品である。

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