岩の斜面に座り込みあきらかに正気を失いつつある友人の姿を見て、僕はウエストポーチから取り出した記録用の手帳に震える手で遺書を書きはじめた。 あれはもう30年以上も前の夏の北アルプスでのことだった。 冬に挑戦するための下準備のつもりで、槍ヶ岳の…
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