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[ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

ぷるんにー(พรุ่งนี้)とはタイ語で「明日」。好きなタイやタイ料理、本や映画、ラーメン・つけ麺、お菓子のレビュー、スターバックスやタリーズなどのカフェネタからモレスキンやほぼ日手帳、アプリ紹介など書いています。明日はきっといいことある。                     

[ま]冬のイスタンブールでトルコ絨毯/僕の負けなのか @kun_maa

その他の旅

旅は心の栄養です。それにもかかわらずもう久しく旅に出ていません。栄養不足で心が今にも枯れそうになります。

だから僕はこうして昔の旅を振り返ってはそこに残された養分の欠片を拾い集めているのかもしれません。 

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飛んでイスタンブール

僕が子どもの頃「飛んでイスタンブール」という歌が流行りました。
庄野真代さん、お元気でしょうか。
 
この歌のサビの部分「飛んでイスタンブール♪ 光る砂漠でロール♫」は妙に耳に残る歌詞とメロディーで、いつの間にかイスタンブールは僕にとって「いずれ訪れる場所」となっていたのでした。
それもなぜか明るい太陽と砂漠と陽気なトルコ人があふれる素晴らしい街として。
ここでひとつだけ声を大にして言いたいのはイスタンブールに砂漠はない!  

冬のイスタンブールなんか行くもんじゃない

そんな僕がイスタンブールを訪れたのはもうかな〜り昔の2月のことです。
イスタンブールに向かう途中で飛行機を乗り継いだアムステルダムの空港ではこんな酷い目にも遭いました。 

kun-maa.hateblo.jp

 

冬のイスタンブールは毎日どんよりと曇り、時折雪が舞い散る寒くて気持ちまで暗くなるような街。

毎日、モスクから街中に流れる大音量の祈りの言葉で目が覚めました。
思い出すのは震えるような寒さと薄暗い空です。
モスクから流れる祈りの言葉はずしりと重く落ち込んだ冬の寒空との相乗効果で呪いの言葉にしか聞こえない。
 
たぶんあの祈りの言葉も夏の晴れ渡った爽やかな空のもとで聞いていたら、イスタンブールの印象も全く違ったものとなったことでしょう。
明るいイスタンブールに行きたいなら冬はやめた方がいい。
この時の旅で得た教訓のひとつです。

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トルコ絨毯

日本ではペルシャ絨毯の方が有名だけど、世界的にはトルコも絨毯の産地としては負けず劣らず有名。
 
この旅では自分用にトルコ絨毯を買おうと思っていたので、何軒も絨毯屋を見て廻りました。絨毯屋では最終的に買う買わないに関わらず商談中には必ず温かいチャイ(トルコのお茶)が飲めるので、寒い町歩きに疲れたときにはちょうどいいのです。
 
何軒廻ってみてもさすがに本物のトルコ絨毯の値段は高いです。
中でもシルクのものはとても手が出ないので、ウールで織られているちょいアンティークものを中心に探しました。
 
絨毯のモノの善し悪しなんて全く知識がないので、とにかくたくさん見て値段を聞きまくったのを覚えています。
トルコ商人の相手は一筋縄ではいきませんが、きめ細かい模様の古ぼけた絨毯はどれも美しく、売り込みにかかる商人の勢いを受け止める疲労感とウザさを加味したとしても見ているだけ楽しいものです。 

日本語を話す店員

何軒目かで入ったデパートの売り場で日本語が喋れる店員と仲良くなりました。
彼はいろいろな絨毯を広げてくれて、丁寧な説明付きでわかりやすく紹介してくれたのですがなかなか値段の折り合いがつきません。やはりいいものは美しくて高い......
 
チャイを飲みながら雑談の中で彼が僕にこう切り出しました。
「この店の絨毯はどれも品質は良いけどもちろん値段が高い。僕の知り合いがやっている店が近くにあるんだけど、そこはここと同じ品質でこの店よりも値段が安いんだ。そこへ連れて行ってあげるよ」
 
デパートの店員が仕事中に自分の店の商品ではなく違う店の商品を勧めてきた...その時点でこれは怪しいなと思うべきだったのでしょう。ましてや同じ品質で値段が安いなど怪しいにもほどがあります。
でも、その時の僕はそれまでの会話や彼の態度で彼をすっかり信用してしまっていて、見るだけでも行ってみるかと彼に付いていきました。
 
彼が連れて行ってくれたのはそのデパートから10分ほど歩いたところの、どこでも見かけるような普通の絨毯屋。
 
ここでもチャイを飲みながらいろいろな絨毯をたくさん見せてもらいました。
確かにデザインが気に入ったものもあり、相手が提示してくる値段もデパートに比べれば2〜3割安い。
さらにそこから値切り交渉を進めて約5万円の絨毯を1枚買うことに。
 
いつもなら一度頭を冷やして他の店との比較をするために、いったん店から離れたのでしょうが、その時の僕は絨毯選びに疲れていたのと、せっかく彼が勧めてくれたのに買わないと悪いかな?などと余計なことまで考えていたのでした。くそ真面目かっ!
 
店主の説明では「これは10年以上前に織られたアンティークもので凄くいい品物」だということでした。
僕は織り目や色の風合いをよく確かめて、ロクに知識もないくせに自分でも妥当なところだろうと思ったんですよ。これが決め手だ!って根拠はないんだけどさ。
金額的にも事前に調べた店やガイドブックで見たものと比べて妥当な感じ。トルコリラの現金はそんなにたくさん持っていなかったのでクレジットカードで支払いました。 

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そしてトラブルへ...

きれいに折り畳んでパッキングしてくれた絨毯を持って意気揚々とホテルに帰りました。いい買い物をしたなあと思ってうれしさでウキウキと舞い上がりながら。
 
ベッドに寝転んで、何気なく「地球の歩き方」をパラパラ見ていたらトルコ絨毯の見分け方のようなページがありました。なんで買い物をする前にこんな重要なページに気がつかなかったのでしょう。
 
内容が気になってパッキングされた絨毯の包装を少し破り、「地球の歩き方」に書いてあることをチェックしていきました。
ある1点を除いては、僕が買った絨毯はアンティークものに間違いないようでした。
そう、重要なある1点を除いては。
 
それは「新品の絨毯をアンティーク調にするために、ケミカルに表面を古ぼけさせているものがある。その見分け方として、ケミカル処理しているものは表面だけが古ぼけた色調になっており、本物は表面から奥まで同じ色調である」
 
よく見ると、僕が買った絨毯は表面だけが古ぼけた色調だったのです(涙)
 
すぐに買った店に電話を入れました。
トルコ語はあいさつ程度しか話せなかったので、ゆっくりと知っている単語だけを組み合わせて英語で。
 
僕の主張は、ガイドブックに書いてある偽物の条件に当てはまるから買った絨毯はアンティークではないはずだ。返品したいから金を返してくれというもの。
店主は当然拒否します。
 
電話でのやり取りではラチがあかないので、重い絨毯を持って直接店に乗り込みました。
本当はこの店を紹介した彼を連れてきて通訳させれば良かったのかもしれませんが、すっかり慌ててしまってそこまで頭が回りませんでした。
とにかく返品して一刻も早く金を取り戻す!この一点しか頭にありませんでした。
 
店で僕は電話と同じ主張を繰り返し、とにかく返品と返金を求めました。
店側は売った絨毯は本物のアンティークに間違いないし、カード決済の手続きも済んでいるので返品も返金もできないの一点張り。
話は平行線をたどり、とうとう日も暮れました。
 
他の品物との交換ならいいぞと店側が言い出したけれど、こちらはその時点でその店の全ての品物に対して信用できなくなっているので、そんな提案はもちろん拒否。
 
最終的に店側は「それほど偽物だと言い張るなら明日、博物館の人間に鑑定してもらおう。絶対本物だということがわかるはずだ」と言い始めました。
 
ゲームセット!......僕の負けです。
 
たとえその話に乗ったとしても鑑定をする博物館の人間が本物とは限らないし、仮に本当の博物館の人間だとしても金さえつかませれば「これは本物のアンティークに間違いなし!」と言わせることは簡単だからです。
挙げ句の果てに鑑定料まで請求される可能性があります。
 
百戦錬磨のトルコ商人に、ズブのド素人が勝てるわけもなかったのです。
 
わかった。もういい...絞り出すように絨毯屋に告げ、敗北感で泣きそうになりながらとぼとぼと重い絨毯を持ってホテルに帰ったのでした。
帰り道では雪まで降り出して踏んだり蹴ったり。毎朝モスクから流れるお祈りを呪いの言葉のようだと思った僕にアッラーはお怒りだったのでしょうか。 

その後

あれから23年が経ちました。
あのトルコ絨毯はずっと使い続けていますが型くずれもほつれもなく頑丈そのもの。
表面の色調が違って見えていた部分もいつのまにかなくなり、今ではなんの不満もありません。この調子で行けば、おそらく一生使い続けても大丈夫でしょう。
時々、ほこりを払って日光に当てたりしています。 

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結局、この絨毯が本物のアンティークだったのか偽物だったのかはわかりません。
でも23年たった今ではあのときに新品だったとしてもアンティークの仲間入りです。
結果オーライ。
 
今でも思い出すと悔しくてちょっと悲しい気持ちがよみがえりますが、これだけ長い間使えているんだからもういいかなって感じ。おかげで旅の経験値も格段に上がったことだしさ。
 
そうそう、ちゃんと本場のベリーダンスも見てきましたよ。なんか色ボケ観光客みたいだ。そうだろ、やっぱりそうか。だから素性の知れない絨毯をだな(ry

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イスタンブール路地裏さんぽ (地球の歩き方GEM STONE)

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