[ま]近喜屋のヒマラヤが無性に食べたくなるときがあるんだ @kun_maa
川越にある近喜屋というラーメン屋の「ヒマラヤ」が頭から離れなくなってどうしようもなくなることがある。
近喜屋には他にも美味しいメニューがあって、煮干系や焦がし醤油系のラーメンはなかなかいける。決してヒマラヤだけの店ではない。
それでもどうしてもヒマラヤじゃなきゃダメなときが年に3回くらいはあるんだ。
なぜかはわからないけど、きっと僕の体が...心が...あのこってりを必要としているんだろう。
この日もたまらず近喜屋の門をくぐった。門なかったけどな。
券売機を睨みつけながら千円札を滑り込ませてヒマラヤのボタンを押す。
もちろん大盛りボタンも。
実は「カレーつけ麺はじめました!」の手書きメッセージに0.3秒ほど迷ったのだが、そんな迷いを弾き飛ばすかのように「ヒ・マ・ラ・ヤ」の4文字が眼球に突き刺さったのだ。目が痛い。
食券を渡すと必ず聞かれる「チーズとニンニクが入りますがいいですか?」という言葉に黙ってうなずく。チーズとニンニク抜きのヒマラヤはヒマラヤなんかじゃない。
ヒマラヤを待っている間もジリジリと焦げ付くようなこの衝動はなんだろう。
僕はただヒマラヤが食べたいだけなんだ...
そして無事にヒマラヤとの再会を果たす。
気のせいだろうか、昔より痩せたんじゃないか?ヒマラヤよ。
なんとなく小ぶりになったような気がしつつも横から見上げるその頂は高い。
ぶちまけられたコロチャーも健在。
もやしのてっぺんに陣取る魚粉とチーズとニンニクの塊も健在だ。
でも何かがおかしい...
あっ!チャーシューがずいぶん小さくなっているジャマイカ!これはマジ切ねぇ。
これも時代の流れなのか。
ヒマラヤが痩せちまった気がしたのはチャーシューのサイズ感のせいなのかな。
それでもモヤシが美味い。チャーシューが小さくなっても味は変わらない。
ちゃんとヒマラヤだよ、ナマステー!
ヤサイをワシワシと食べていくのさ。ヘルシーおいしーヒマラヤ!
そうそう、この幅広のもちもちゴワゴワ麺が美味しいんだよ。これぞヒマラヤ。
動物系と節系の旨味が濃縮され魚粉とニンニクの風味もバッチリと効いたスープが幅広麺に絡みつく絡みつく。チーズもビヨ〜んって伸びていい仕事してるんだよね。
麺を大盛りにすると食べても食べても無くならない安心感。ずっとヒマラヤにまみれていたい、そんな欲望をしっかりと満たしてくれる。
こうやって見ると幅広麺の存在感が際立つんじゃないだろうか。ゴワゴワしているのに噛むともっちりとしている麺が美味いんだよなあ。
濃厚なスープとセットでクセになる。だからリピートしちゃうんだよ。
箸でつまむと小さくなったことが如実にわかるチャーシューを食べるときにひとしずくの涙が僕の頬を伝った。なんの涙なんだろう。
ガッツリと食べ続けてようやくヒマラヤ欲が満たされていくのが自覚できる。
汁完するまでがヒマラヤです。名残惜しみながらいろんな旨味がギュッと詰まった濃厚なスープを飲み干す幸せ。塩分?コレステロール?
こうして僕のヒマラヤへの情動はなんとか収まり、空になった丼を見つめながらヒマラヤの余韻を味わいながらごちそうさまとつぶやく。
やっぱり好きだぜ、ヒマラヤ。また君への情動が抑えきれなくなったら会いに来るよ。
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