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[ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

ぷるんにー(พรุ่งนี้)とはタイ語で「明日」。好きなタイやタイ料理、本や映画、ラーメン・つけ麺、お菓子のレビュー、スターバックスやタリーズなどのカフェネタからモレスキンやほぼ日手帳、アプリ紹介など書いています。明日はきっといいことある。                     

[ま]狐憑き(キツネツキ) @kun_maa

心霊

今週のお題「ゾクッとする話」です。

はじめて、はてなブログの「今週のお題」ってやつに参加します。

このエントリは3年前に書いたものに加筆・修正したリライトものです。 

「なにが一番怖いって?それは幽霊やお化けじゃなくて人間だよ」なんてことはよく言われますが、僕のこの体験は、そうとも限らないよって意味でずっと心の中に引っかかっているし、この事件に関係した者のその後の人生にも少なからず影響を与えていて、今でもこの時のことを口にすることはなんとなくタブーになっています。

狐憑き>

あれは僕が大学1年生のときのこと。
 
高校時代の友人と4人で、正月に友人の家に集まり昼間から深夜まで酒を飲んでいた。
 
いいかげん酔っぱらった僕たちは、近所の神社に初詣に行こうという話になった。
飲み会の会場になっていた友人の家は、周囲を田畑に囲まれた郊外にあり、近所の神社といっても小さな古墳の脇にあるとても古い稲荷神社だった。
f:id:kun-maa:20110605205323j:plain
 
完全に酔っぱらっていた僕たちは、深夜2時にもかかわらず雄叫びをあげたり、大声でしゃべったりと大騒ぎをしながら人気のない静まりかえった神社に着いた。
 
境内では祀られているお稲荷様をバカにするような言動を、まるでそうすることが勇気がある行動とでも言うように繰り返し騒ぎ立てた。
 
突然、友人のひとりが腹に響く低い声で不気味な笑い声をあげた。
 
それはいつもの友人の声とはまるで違う、背筋が凍りつくような笑い声だった。
 
いつまでも不気味な声で笑い続ける友人に不安を感じた僕たちが、「ふざけんのもいい加減にしろよ!」と友人を止めにかかると、すごい力で僕たちを振り払い、そのまま笑い声を上げながら、尋常ではないスピードで神社の奥に走り去っていった。
 
慌てて後を追う僕たちをまるで相手にせず、参道をそれて草薮を疾走し、友人の姿は闇に消えた。
 
20分ほど周辺を探した僕たちは、神社から少し離れた場所にある民家の庭先に、獣のようにうずくまる友人を見つけた。
 
僕たちに捕まえられた友人は低く唸り声をあげて抵抗し、意味の分からないことをブツブツとつぶやいた。
あまりの騒がしさに、民家の人が庭先に出てきて僕たちを怒鳴りとばしたが、こちらもそれどころではないのでお詫びもそこそこに抵抗する友人を引きずりながら逃げるようにその場をあとにした。
 
ずっと意味がわからない言葉を呟き続けて頑強に抵抗する友人に対して、こちらも必死で話しかけ続けると、急に「我は◯◯稲荷の狐なり!我を放せ!」とはっきりとよく通る声で信じられないことを口走った。
おかしくなってしまった友人を除く、その場にいた全員の表情が凍りついた。
 
それでも必死で逃げようとするその友人を、僕たちはボコボコにして家まで引きずるようにつれて帰った。
 
無理やり引きずって帰る途中、神社からかなり離れた場所で、その友人は正気に戻った。いつもの声で、普通に話しはじめたのだが、彼には神社で豹変してから正気に戻るまでの記憶が欠けていた。
 
家に戻った僕たちは、すっかり酔いも醒め、すでに酒を飲む気分でもなくなっていた。
 
その友人を囲んで質問責めにしたところ、何も覚えていないが、なぜか「神社にまた行かないといけない気がする。頼むから俺を神社に行かせてくれ」と訴えはじめた。
 
次第に虚ろな目に変わって、神社に戻らないと大変なことになると繰り返す友人に対し、僕たちは訳の分からない恐怖を感じた。生まれてはじめて、得体の知れないものに対する本当の恐怖心というものを感じていた。
 
絶対に友人を神社に行かせないために、彼にはかわいそうだがトイレに閉じ込めて入口を塞いだ。
しばらくの間、「出してくれよ・・」とドアの向こうから弱々しく聞こえていた友人の声が静かになり、10分ほどした頃だろうか、突然家の外から友人のあの不気味な笑い声が聞こえた。
慌てて外に出た僕たちを睨みつけると、友人は神社の方に向かって遠ざかっていった。「うははははははははは」と響き渡る野太くて、いつもの彼の声には似ても似つかない声を響かせながら。
 
混乱状態で残された僕たちは、急いで室内に戻りトイレのドアを開けると、とても人が通り抜けられるとは思えない小さな換気用の窓が開いており、友人の姿は消えていた。
 
このあとも、彼に取り憑いた古狐と、友人を取り戻そうとする僕たちの恐怖の駆け引きは夜が明けるまで続いた...
 
苦労の末、再度捕まえた友人を椅子に縛り付け、交代で見張り続けた僕たちは疲労困憊していた。誰もが恐怖でいっぱいいっぱいだった。
 
そして僕たちは、なにが起きているのかわからないまま翌朝をなんとか無事に迎えることができた。朝日があれほど頼もしいものだとは思わなかった。
 
彼の表情は元に戻り、二度と変な言葉を発することはなかったが、彼が狐憑きにあっていた間の記憶を取り戻すことはなかった。
 
オチもなにもない、本当の話。
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