[ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

ぷるんにー(พรุ่งนี้)とはタイ語で「明日」。好きなタイやタイ料理、本や映画、ラーメン・つけ麺、お菓子のレビュー、スターバックスやタリーズなどのカフェネタからモレスキンやほぼ日手帳、アプリ紹介など書いています。明日はきっといいことある。

[ま]成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか/ちょっと高いスーパーの人気の秘密がわかった気がする @kun_maa

僕の通勤経路の駅にも2カ所ほど「成城石井」が出店している。

名前に都内の高級住宅地である「成城」の文字が入っているくらいなので、売り物は全て高級品で、僕には関係ない店だと思っていた。

でも、本書を読むとその認識は誤りであることがよくわかる。 

成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?

成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?

 

実際に店舗に入ってみるとすぐにわかるが、普通のスーパーのように特売品が雑に売られているという空気はまったくない。

商品棚を見て歩くと、並んでいる商品の品数がものすごく多いという印象を受けるが、全てが高級品というわけでもなく、手頃な価格の物も多数ある。

けれど決して格安の粗悪品は置いていない。

成城石井というスーパーは、あくまでも顧客視点で上質な物を手頃な価格で提供するということにこだわってきた超現場主義のスーパーなのである。

人気の秘密その① 品揃えの豊富さとクオリティの高さ

確かに、他のスーパーには置いていなくても、成城石井に行けば見つかる商品は多い。特に輸入食材は抜群の品揃えだと思う。

僕が以前紹介したタイのバジルシードドリンクも、成城石井しか実店舗に置いてあるのを見たことがないし、ちょっと珍しい物を食べたいと思った時はとても助かるスーパーなのである。

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本書でも、成城石井の人気のひとつとして「品揃えの独特さ」を挙げている。

その理由として次のように書かれている。

直輸入品の多さは、成城石井が貿易会社を持っていることが大きい。まだ一店舗だった時代から、第三者には任せず、バイヤーが直に世界の商品を探し出し、買い付けてきた。だから、成城石井でしか手に入らない商品が多いのだ。(中略)

輸入商材にオリジナル商品も加わり、全体の三割が、他ではまず買えない商品になっている。この品揃えのユニークさ、しかもそのクオリティの高さが、大きな人気の理由だ。(P.23〜24)

その他にも、総菜は一部の大型店を除いてすべて自社の食品工場「セントラルキッチン」で、一流の料理人が作っているという。

ちょっと「ホントかいな?」って思ったが、読後に成城石井の総菜の品揃えの珍しさと美味しさを経験してみたら納得してしまった。普通のスーパーでは見かけない珍しい総菜が手頃な値段で売られており、それがまた美味しいのだ。

詳しくは本書を読んでいただきたいのだが、輸入ワインの輸送方法や保管方法へのすごいこだわりや、本当に美味しいものにこだわって突き詰めるという姿勢、生鮮品に対するこだわりなど、すべて顧客視点が行動の理念になっている。

顧客が求めるものを追求していったら、今の成城石井の品揃えになっていったというところがすごいと思う。だからこそ、ただの高級スーパーではなく、いいものをできるだけ安く適正な値段で提供しているという自負があるのだろう。

人気の秘密② 接客をはじめとしたサービスへのこだわりとレベルの高さ 

僕が立ち寄った2店舗では、常連と店員が親しげに話している光景は見かけたことがないが、たしかに従業員の接客態度で不愉快な気分を味わったことがない。

本書にはこのような記述がある。

実際、売り場やレジでの接客を高く評価している成城石井の顧客は多い。お店で常連の顧客と従業員が親しげに会話をしている光景は、ごく普通のものになっている。店舗にいるスタッフの数も多い。何かを尋ねようにも従業員が見つからない、ということはまずない。(P.48〜49)

従業員に探している物を告げるとすぐに丁寧な態度で売り場まで案内してくれるし、レジの待ち時間も他のスーパーに比べると短い。そんなところにも成城石井のよさが出ているような気がする。

また、今どきレジへの袋詰めを従業員がしてくれるなんて他のスーパーではあり得ない。しかも袋への入れ方が上手いのだ。僕なんかが適当に入れるのとは訳が違う。これはぜひお店で体験して欲しいことのひとつだ。

人気の秘密③ どんな場所にも出店できるスーパーであること

僕の生活範囲には駅ビル内での店舗しかないが、本書が書かれた時点で成城石井は112店舗存在し、その種類は路面店、駅ビル、デパ地下、ショッピングセンターテナント、オフィスビル、コンビニ跡地など、小型店から大型店までバラエティに富んでいるという。

どんな場所にでも出店し、それぞれの場所にふさわしい品揃えとノウハウを現場主義で押し進めるという商売哲学があるからこそ、幅広い層からの支持が得られているのだろう。

本書には次のように書いてある。

ユニークなのは、いわゆる競合はまったく気にしないことだ。実際、先に紹介したように、麻布十番店は、すぐ隣がコンビニだった。六本木ヒルズ店も隣がコンビニだ。立川店は、地下がスーパーで一階に成城石井が入っている。「最後は肌感覚なんです。この街に成城石井が合うのかな、という。だから、セオリーやデータだけで決めることはありません」(P.146)

 

本書で挙げられている成城石井の魅力について、大きな3点を取り上げてご紹介した。

他にも成城石井の理念というか、信念というか、そういったものや裏方に潜む人気の秘密なども、著者による豊富なインタビューから描き出されている。

中には、「儲けようとは考えていない」とか、「何も買わなくてもいいから成城石井に行って楽しかったと思ってもらえるだけでもいい」などの、ちょっときれいごとを言いすぎじゃないかと思える部分も見え隠れしてこそばゆいところもある。

でも、そんなところを差し引いたとしても、いいものをできるだけやすく提供するにはどうすればいいのか、顧客の期待に応える為にはどうすればいいのかということを真剣に会社ぐるみで考えてきたスーパーなんだなあってのは信じていいかもしれない。

そんな気にさせ、実際の店舗に足を運びたくなる一冊である。 

 

追伸、成城石井のしゅうまいは美味しいです。

成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?

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成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか? (あさ出版電子書籍)

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