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[ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

ぷるんにー(พรุ่งนี้)とはタイ語で「明日」。好きなタイやタイ料理、本や映画、ラーメン・つけ麺、お菓子のレビュー、スターバックスやタリーズなどのカフェネタからモレスキンやほぼ日手帳、アプリ紹介など書いています。明日はきっといいことある。                     

[ま]欲望の植物誌/人は植物に操られているのか? @kun_maa

書感

この本の主役は、リンゴ、チューリップ、マリファナ、ジャガイモという4つの身近な植物です。ああ、日本でマリファナは違いますか。もし身近だと「おまわりさーん、こいつです!」になってしまいますね。

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この本では、人間の持つ欲望と4つの植物の魅力が絡まり合って、どの視点から見るかによって、人間が植物を操って改良をしてきたのか、それとも植物の魅力に人間が操られて植物の進化を助けてきたのかはっきりとわからなくなります。

「甘さ」に対する欲望を「リンゴ」が、「美」に対する欲望を「チューリップ」が、「陶酔」に対する欲望を「マリファナ」が、「自然を管理したい」という欲望を「ジャガイモ」が、それぞれ代表して各々の物語を紡いでいきます。

そこに綴られている物語は、人間からの視点だけではなく「植物の目を通して」描かれてもいきます。しかも、その描き方が独特で、時間軸の幅の広さ、取り上げる物語の豊富さ、著者自らの体験談のおもしろさなど、通り一遍の物語の範疇には収まらないとても内容が豊かで、おもしろい一冊になっています。

本書で描かれている4つの植物と人間の欲望のせめぎ合いは、これまで「栽培」という言葉に代表されるように、人間が自分たちの思うがままに植物を育て、改良し、収穫してきたという視点から、これらの植物は人間が「栽培」したくなるほどの魅力を備えた存在であり、人間の欲望を巧みに自らの進化に組み込み、その結果、まるで人間の方が植物に操られたと思えるほど歴史や文化に影響を与えてきたのではないかという視点への可能性を示してくれます。

そして、人とこれらの植物との関係は、実は人間だけが一方的に植物に対して手を下してきたものではなく、「共進化」とも言うべき関係にあることをわかりやすく示してくれているのです。

そういう意味では第1章〜3章までの「リンゴ」「チューリップ」「マリファナ」の物語と、第4章の「ジャガイモ」とエピローグとは性格を異にしています。

人間と植物の「共進化」の歴史を描いた第1章〜3章。そして、人間の都合のみによる植物からの視点抜きの一方的な「遺伝子組み換え作物」の登場とそこに潜む漠然とした脅威を描いている第4章とエピローグ。

幅広いエピソードと深い知見によって、長い人間と植物との豊かな物語を説いた後で語られる最後の章は、読者に多くのことを投げかけ、そして考えさせます。

それまでの楽しく豊かなエピソードは、最後の章をまじめに考えさせる為の前振りだったのではないかと疑ってしまうほどであり、最終章はおそらく本書のメインテーマなのかもしれません。

人間からの視点だけではなく、植物からの視点を本書で得たうえで、生命の多様性を狭め、進化の可能性をも狭めることとなる遺伝子組み換え技術と単一栽培についてどう考えていくのか。それが、果たして本当に人間と植物にとって進むべき道なのか。

著者は我々に問いを投げかけています。しかし、本書を読んだ後では答えは明らかなのではないかと思えてくるのです。

ありのままに共に生きよと。

植物には特に興味ないなあって思っていた僕ですら、ハマり込んで読み耽ってしまった一冊です。とてもおもしろい本だと思います。

欲望の植物誌―人をあやつる4つの植物

欲望の植物誌―人をあやつる4つの植物

 

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