[ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

ぷるんにー(พรุ่งนี้)とはタイ語で「明日」。好きなタイやタイ料理、本や映画、ラーメン・つけ麺、お菓子のレビュー、スターバックスやタリーズなどのカフェネタからモレスキンやほぼ日手帳、アプリ紹介など書いています。明日はきっといいことある。

[ま]検閲が正当化された世界/映画「図書館戦争」を観てあれこれ想う @kun_maa

 

 

人権を侵害する表現や公序良俗を乱す表現を規制するという目的のもと「メディア良化法」が制定されている世界。

実質上の検閲の合法化と、その実行部隊としての良化特務機関が武力行使も厭わずに強権的かつ超法規的に全てのメディアを取り締まっている。

政府にとって都合の悪いものは全て検閲により処分される世界。

そして、その検閲に対して唯一抵抗できるのが図書館であり、その図書館の自由を守っているのが「図書館法」と「図書隊」。

そんな世界がこの映画の舞台だ。

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自由な表現が否定され、国や特務機関の基準で検閲が行われる。

こんな世界は小説や映画の中にしか存在しないと思うだろうか。

そんなことはない。

中国ではインターネットの検閲が当たり前に行われていることは周知の事実だし、人権活動家が監視され、あるいは拘束されている。

僕の好きなタイでは王族に対する批判的な言動は禁じられていて、そのような要素があると判断された本や映画は検閲に引っかかって公開されることはない。今でも不敬罪が存在し、ネットや公開の場で王族を侮辱した発言をした者が逮捕されている。

世界を見渡せば、言論や表現の自由なんてものが規制されている国はいくらでもある。

 

ほんの数十年前の日本だって、検閲が行われていたことを僕たちは忘れがちだ。

反政府的な図書の検閲が行われていたことや特高警察などという言葉なら聞いたことがある。

いま僕たちが享受している自由はいろんな犠牲の上に成り立っている。

映画の中の図書隊は、圧倒的な力を持つ良化特務機関との戦闘に傷つき、死亡しても報道もされなければ、警察が介入することもなく人知れず本を守る為に犠牲になっていく。

その姿は、言論や表現の自由を勝ち取るために犠牲になってきた人々を想像させる。

 

映画の中で、榮倉奈々石坂浩二に「なんでこんな世の中になってしまったのか」と問う場面がある。

石坂は「みんなが自分には関係ないことだと無関心だったからだ」と答える。

言論や表現の自由を当たり前に存在するものと思っている僕たちの姿と重なる。

 

東京都の青少年の健全な育成に関する条例改正における、表現の自由に対する規制騒動は記憶に新しい。

よく見れば身近に存在する自主規制という名の「言葉狩り」や「放送禁止」。

興味関心を持っていれば、そんなきな臭い出来事にも敏感になるはず。

 

[ま]ウルトラセブン第12話とかカップヌードルのCMとか @kun_maa - [ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

そんなことを映画を観ながら考えていた。

 

肝心な映画の方はSF的な楽しみあり、アクションあり、ラブコメありとなかなかおもしろかった。

岡田准一のアクションには「SP」を思い出させるキレがあったし、榮倉奈々の初々しくて純情な感じも好感が持てた。

銃撃戦のシーンだけは単調でちょっと眠ってしまったが、それ以外は眠くなることもなく楽しめる作品だった。

予備知識なしで映画を観たのだが、原作を読んでみたくなった。


図書館戦争 予告編 - YouTube

 

 

 

 

 

 

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