[ま]小説「言の葉の庭」は映画より深い孤悲のものがたり @kun_maa
数ある新海監督作品の中にあってこれはもう別格で大好きな作品「言の葉の庭」。
映画は高校生の孝雄と27歳の謎めいた女性雪野のふたりの視点から描かれた46分の中編作品。お互いに惹かれ合う不器用なふたりの切ない物語だ。映画版のキャッチフレーズは「"愛”よりも昔、"孤悲"のものがたり」というものだった。
映画を観て泣いた僕が小説を読んでさらに泣いた。
小説版の著者はもちろん新海監督その人だ。
映画の「言の葉の庭」では描かれなかったその後の「言の葉の庭」を描いているというだけで僕なんかはすでに胸熱なのだが、映画とは違った視点からの描写とそれぞれの登場人物の過去から現在につながる出来事や心情が事細かに描かれていることがこの作品の真骨頂である。
章ごとに入れ替わる登場人物の視点。
孝雄と雪野のふたりはもちろんのこと、孝雄の母や兄、雪野の元彼、映画では完全なる悪役だった相沢祥子。
それぞれがどんな人生を歩んでどんな人たちから影響を受けて何を思って映画に出てくるシーンでの行動や台詞につながっていったのかが細やかに描かれていく。
小説版も孝雄と雪野を主軸とした物語ではあるのだが、単なるふたりの男女の切ない物語では終わらない奥深さを感じさせるのだ。
それぞれの登場人物が大きな存在感をまとって立体的に迫ってくるとでも言えばいいのだろうか。
映画を見た後で小説を読むと映画だけではわからなかった台詞の背景や心情に納得させられたり驚かされたりの連続である。
そしてそれぞれの視点で描かれている登場人物の誰もが孤独をその内に抱えながら精一杯生きている姿を描いた作品であることがわかる。
そう、どうせ人間なんてみんなちょっとずつおかしいのだから。それでも懸命に生きているのだから。
映画版が孝雄の雪野に対する「"孤悲"のものがたり」だとすると小説版はまさに登場人物すべての"孤悲"の物語だと思う。映画版よりも深い"孤悲"のものがたり。
あとがきで新海監督も次のように書いている。
多かれすくなかれ皆が片想いをしている。書きたかったのは人々のそういう気持ちだと、あらためて思う。孤独に誰かを、なにかを希求する気持ちが、この世界を織り上げているのだ。本書で描きたかったのは、そういうことだ。
なんて僕の琴線に触れてくる作品なのだろうか。
映画を観た人はもちろんのこと、まだ観ていないという人には映画を観てから是非!という感じで超絶おすすめの作品である。
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[ま]CRAFT BEER BABY ! L1day/きみがいない世界はつまらなくてさ @kun_maa
先週は毎日浴びるほど美味しいクラフトビールを飲んでいたからさ。
今じゃ飲まないと手が震えるようになっちゃったんだ。
それでもビールに手を出す気になれないのはやっぱりきみが僕の世界から消えてしまったから。
あの日の最後の一杯を飲んでから僕は一滴もアルコールを口にしていないし食欲も無くなってしまったんだよ。情けないね。
あの日は夕方から突然の豪雨に見舞われた。
きっと浦和の空もきみがこの世界から消えてしまうのが悔しくて泣いているんだろうなって僕は思ったんだ。
前夜に「それじゃ明日は午後4時にここ集合ね!」って勢いで約束をした僕を含めた常連のために開店と同時に混み合っていたのにカウンターの奥の一列をきみは確保してくれていた。
正式に予約をしたわけでもないのにこんなふうにさりげなく僕たちの居場所を用意して待っていてくれる。そんなゆるい優しさがきみの魅力だったし最後の日までそんな迎え方をしてくれて本当にうれしかったんだ。
それしても最終日って言葉の持つ破壊力はすごい。
普段は空いている時間帯から常に満席状態が続いていたから。
いつもこんな感じだったらもしかしてきみがいなくなることもなかったのかな...なんてぼんやりと考えたりしたんだ。
常連さんたちとおしゃべりしながら美味しいビールを飲み続けてまだ外が明るいうちから大騒ぎしちゃってさ。
そんな大騒ぎもきみがいなくなっちゃうことを嘘にしたいような、もしかしたらこうやって楽しく騒ぎ続けていればこの空間と時間がずっと続くんじゃないかってみんなどこかで思っていたんじゃないかな。少なくとも僕はそんなふうに感じていた。
あの日の料理は注文しなくてもまだ食べてなかったものや最後に食べたいと思っていたものが勝手に出てきたよね。ちょっと驚いちゃって、僕の心が読めるんだろうかって割と本気で思ったんだよ。
その場にいたみんなで何回も乾杯したね。すごく楽しかったな。
僕は午後4時集合仲間のひとりから大きなマースジョッキでビールをご馳走になったりして。ずっとガヤガヤと賑やかな店内で時間を忘れるくらい本当に心の底から楽しかった。きみがいなくなっちゃうなんて嘘みたいだ。
あんまり楽しすぎて僕はずっとあの場を離れがたくなっちゃってさ。
自分でもマースジョッキをお代わりしちゃった。そういえばいつもパイントグラスばかりでマースで飲んだのは初めてだった。
新しい知り合いができたり常連さんたちの名前を知ることができたりしたのはとてもうれしかったんだけど飲むほどに時間が過ぎるのが早くなっていって、それが辛くて月並みだけど時間が止まればいいのにってずっと思ってた。
気づくと一人減り二人減り......みんなが名残惜しそうに帰っていくの見ているとだんだん考えたくないことが頭を離れなくなってきてね。
もっと酔っ払ってしまいたかったんだけど僕はどんなに飲んでも完全に酔うことができなくて。
終電もビールもなくなってさえ僕は席を立つことができなくて。
楽しい時も辛くて泣きそうな時も好きな人を連れてきた時もいつも温かく迎えてくれたきみとの時間が一斉によみがえってきて僕は不意に泣きそうになっちゃったんだよ。
ああヤバいな...泣いちゃうなって思ったら僕よりも先に午後4時集合仲間の女性のひとりが泣き出しちゃって。
みんなが彼女に注目していたから僕がこらえきれずに零した涙は誰にも気づかれなかったはず。そりゃおっさんの涙より女性の涙の方が注目に値するよね。
店長と看板娘からそれぞれ最後のあいさつがあって最後まで残った人たちで記念写真を撮って僕らは解散した。
最後は笑顔で別れることができて本当によかった。
とぼとぼと歩く深夜の浦和の街はとても静かだったよ。周囲の風景はまるで目に入ってこなくて僕は他のお客さんとぽつぽつと話しながらきみと過ごした時間のことをずっと考えていた。
もうきみはこの世界に存在しないんだと思っても全然実感がわかなくてさ。それなのになんだかとても虚しくて。
僕は失恋すると好きだった人のことを思い出して胸がギュッて痛むんだ。そんな経験は何度もしてきて慣れているのにきみを失った後の空虚さには不思議と痛みがない。
まるで命の一部を気づく間もなくスッと抜き取られていつの間にか大きな穴があいてしまったような感覚と恒久的な喪失感に包まれてしまって僕は途方に暮れているんだよ。
ここから立ち上がってちゃんと自分の脚で歩き出さなきゃって思いながら惰性で仕事に行き、作り笑いで無為に時間を過ごして何もする気にならない虚ろな自分に戸惑ったままだ。
そして不意に襲いかかる静かだけど深く切ない悲しみに涙をこらえて抗いながらきみの姿や空気やすべての想いがフラッシュバックする中で僕は本当にきみのことが大好きで僕の居場所はきみだったんだなって思う。
いままでありがとう。さよなら僕の CRAFT BEER BABY !
きみのいない世界は本当につまらなくてさ。
いつかこんな世界にも僕は慣れてしまうんだろうか。
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[ま]浦和「CRAFT BEER BABY! 」L2/君の名は。 @kun_maa
今週は日曜日から始まって定休日の月曜日と体調を崩した水曜日を除いて昨日(金曜日)まで毎日「CRAFT BEER BABY ! (クラフトビアベイビー)」に通っています。
そして毎回全力で美味しいビールを飲んでいます。
なぜなら今日でお店が閉店してしまうから。
もう明日からは行きたいと思ってもあの空間はなくなってしまうから。ああタイムリープしたい......
そんなわけでお店を名残惜しみながらも毎日ひと樽は撃ち抜くことを目標にして楽し哀しく飲んでます。
もちろんひとりで樽を全部飲めるわけもなく、なくなりそうな樽のビールに狙いをつけてタイミングを勝ち取るわけ。
昨日なんて全然知らないたまたま隣に座っただけの女性に「このビール美味しいんですよ。飲んでみませんか」って言葉巧みに撃ちぬきレースに誘い込んで彼女が飲んだ次のタイミングで大好きな Georgetown Brewing の「Bodhizafa」を僕が撃ち抜きました。ちょっとずるい。
昨日は店長の前田さんが「ビール取りすぎちゃったかも...今日は料理を食わずに飲んでください」とか弱気になっているので気持ちはいつもより1杯くらいはたくさん飲みました。でもさー最終日にみんな飲んじゃうから大丈夫だと思うよー。
それにしてもあと2日(昨日の時点でね)でこの大好きなビアバーがなくなるなんてまだ信じられない。
見慣れたタップすらいつまでも見つめていたいくらい愛おしい。
こんなふうにビールの写真にみおちゃんが写り込むこともなくなってしまうのかと思うととても切ない。
先日一緒に飲んだ女性ブロガーさんは僕が彼女に頼み込んで写真に写り込んでもらっていると誤解していたようだけど僕は一度もお願いしたことないですから。
普通にふざけてるだけなんです。こういうゆるい雰囲気が居心地いいんですよ。
そろそろ閉店に向けて仕込みを減らしているためか春巻きとかすでに食べられないメニューもちらほら出ています。
昨日はタルタルチキンサンドがラストひとつだとこっそり教えてもらったのでメニューを塗りつぶしてキープしてもらいました。
けっこうボリュームがあるってことだったので中盤まで待ってから食べたらすっごく美味しかった。まだ食べてなかったんだなあ。最後に食べられてよかった。泣ける。
こんなお店の風景ももう見られなくなるのか。
そんでね、毎日通っていると常連さんたちとほぼ毎日顔を合わせるわけです。
みんな想いは一緒なんで。お店がなくなるのを誰もがすっごく惜しんでる。
昨日もみんなで寂しいねーって言いながらワイワイ楽しく盛り上がっていたわけです。あれ?なんか表現がおかしい?
僕は基本的に人見知りなんで前から何度も見かけてるけど話はしたことないっていう人が多いんですよ。っていうかほとんどそうです。
どんだけ人見知りだよって話なんですけどね。
昨日は前から顔だけは知っていたイケメンさんから実は僕のブログ読んでるんですって言われてうれしかったなあ。
すぐにFacebookで友達になってInstagramもフォローですわ。萩原さん、エレカシの宮本さんに似てるって言われませんか?
でね、その人と友達になった後に酔っ払った頭でよーく考えたら、僕は他の常連さんたちからちゃんと〇〇さん(本名ね)って呼ばれているのに僕はみんなの名前全然知らないってことに気づいたんですよ。
気づくの遅すぎるけどね。
それは僕が人見知りってことももちろんあるんだけどCRAFT BEER BABY! がずっと存在するって心のどこかで勝手に思い込んでいて、もしかしたらどこかの場面で名前を耳にしたことがあるかもしれないのに別にこの店に来れば会えるんだからいいやってちゃんと名前を覚えようとしていなかったんじゃないかなとか思ったんです。甘いね。
だからさー、こんなふうに楽しく一緒に盛り上がっているのに恥ずかしながらみんなの名前を知らない。
昨日はベイビーを出て帰りの電車に乗ろうと駅の階段を上っていたら後ろから名前を呼ばれたんです。
振り返ったらさっきまで一緒に飲んでた常連の女性でして、彼女の方は僕の名前を知っているのに僕は彼女の名前を知らない。
途中まで同じ電車だったので電車の中で楽しく話してたんだけど今更名前聞けないし。
もしこの記事読んだ人で今日ベイビーでお会いできたらみんな僕に名前を教えてください。僕からは恥ずかしくてみなさんに聞けないので。
今日がラストチャンスかもしれない君の名は。
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[ま]CRAFT BEER BABY ! が好きすぎて L3days @kun_maa
僕のクラフトビールの原点であり大好きなビアバー CRAFT BEER BABY ! の閉店まであと3日。
残された日々を慈しむように過ごしたいと思い昨日も仕事をサボって17:00きっかりにお店に到着。すでに他のビアバーの人たちも来ていてとりあえずカンパーイ!
もうこの二人とこのカウンターで過ごせる日々があと3日しかないとか泣けてきます。
とりあえず僕のリクエストで入れてもらった Georgetown の Bodhizafa を飲むために Pizza Port Brewing の「Swami's IPA」をロックオン。撃ちぬき体制整えました。
ビアバーの人たちと少しお話をしているうちに以前このお店を紹介して連れてきたことのあるブロガー女子2名がお店がなくなることを惜しんできてくれました。
なんか知らんけど勘定は僕の奢りだそうです。マジかよ!
まあとりあえず乾杯!
僕は「Swami's IPA」の2杯目!
ブロガー女子2名は僕の奢りだからとガンガンつまみを注文してます。
そしてお店の閉店とは関係ないここには書けないような話をきゃっきゃうふふって店中に響き渡る声でするので僕はベイビー閉店の感傷にひたる暇もないくらい。
とりあえず他人のふりして他の顔見知りのお客さんともお話ししていたんだけどブロガー女子に捕まっていろいろ意見を聞かれたりして今日は終わったなって感じ。
ゴーヤのナムルはあっという間に彼女たちの手元に引き寄せられて写真を撮る隙もなし。
これは焦がし玉ねぎと黒オリーブのピザ。
ラムつくね!ひとり1本ずつなんだけど「私は長いの」とか「私は太いの」とかいちいち言うことに品がないです。僕の大好きなベイビーのカウンターが汚される想い......
それでも美味しいラムつくね!
僕は女子ブロガーたちのペースに飲み込まれながらも淡々と「Swami's IPA」を撃ち抜きます。
やった!閉店が決まってから1日1樽は撃ち抜いてます。飲みすぎ。
そんな僕の喜びを尻目に彼女たちの注文した料理がガンガン届きます。
あれ?二人とも少食のはずなのに......嫌がらせですか。
えびタルタルまでもが蹂躙されてる......
ケイジャンポテト!
僕は「お前らふざけんなよ...」って思いながらそれでもビールを飲み続けるのです。
もちろん Georgetown の Bodhizafa ですー♪
やっぱり美味い。
合間にSTONE BREWING のデリシャスIPA を挟んだりしながら、ごちゃごちゃとうるさいブロガー女子にビールのアドバイスもしながら頑張りました。
すべては大好きな CRAFT BEER BABY ! の為なのだ。
ブロガー女子のひとりがアフリカペールエールを撃ち抜きました。
そのおかげで志賀高原ビールの「其の十」が繋がり僕が飲めたので彼女たちの存在意義もありました。そのくらい貢献してくれないとね。
みおちゃんもノリノリでよかったです。くれぐれもあのお姉さまたちの言ってたことに感化されないことを祈ります。
もちろん Bodhizafa も2杯目!
っていうかもうメモがほとんど取れないカオス状態。
なぜか「とろ〜りチーズのチリコンカン」まで登場。
Bodhizafa と箕面ビールのヴァイツェンが仲良く並んでます。
僕がリスペクトしているフムロニンバスの伝道師坂本さんも途中からお店に来たのにロクに話もできませんでした。とりあえず記念写真。
途中でブロガー女子のひとりが腹筋を割るために帰宅したためもうひとりを都内まで送り届けたら僕の終電がなくなってタクシーで帰宅。
もちろんベイビーの飲み代も本当に僕の奢りだったので財布がすっからかんになりました。それでも無情に過ぎ行く時間。
こうしてラスト3日目はドタバタと終わりを告げました。
CRAFT BEER BABY ! 閉店まであと2日になってしまった。
今日飲む金はあるんだろうか......
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[ま]僕が大好きな浦和のビアバー CRAFT BEER BABY! な日々 @kun_maa
僕が初めてひとり飲みを体験してクラフトビールを飲み歩くようになるきっかけとなったビアバーがJR浦和駅西口から歩いてすぐのところにあるこの CRAFT BEER BABY!(クラフトビアベイビー!)だ。
それ以来もう数え切れないほどあの店のカウンターで僕はたくさんの美味しいクラフトビールを飲んで美味しい料理を味わいながら他愛のない話をしたり、ビールのことを教えてもらったり黙々と飲み続けたりした。気分が落ち込んだ時も楽しい時もとにかくあの店のカウンター席の居心地がよくてついつい通ってしまうのだ。
これから書くのもそんな日々のこと。
まずは志賀高原ビールの「ゆるブル Wheat」から。
トロピカルな風味とジューシーさがとても飲みやすいウィートエール。
流行りのニューイングランドスタイルIPAを意識している味わい。
志賀高原ビールを比較的よく入れてくれるのも好きなところ。
後で飲むけど志賀高原の「其の十」とかほんと大好き。
ちょっと腹減りだったんで「焦がし玉ねぎと黒オリーブのピザ」をつまみに。
薄くてパリッパリのサックサックな食感の美味しい生地に焦がし玉ねぎとオリーブの香りと旨味が合わさってすっごく美味しい。
ビールによく合うんだよね。僕の中でビールと合わせて美味しいピザの三本指に入る。
お次は Stone Brewing の「Go To IPA」をぐいっと。
アルコール度数4.8%のセッションIPAとは思えないしっかりとした飲み口。トロピカルな香りと味わいが美味しいくて Stone らしいビール。
ベイビーのビールのラインナップで気に入っているのが必ずひとつはアメリカンなIPAが入っていることなんだ。大好きなんだよねアメリカンIPAってさ。
そして我慢できずに志賀高原ビールの「其の十」へ。
アルコール度数高めのインペリアルIPAなんだけどすっきりとした飲み口でスイスイ飲めちゃう危険なやつ。大好きだけどさ。人って少しくらい危険なやつに惹かれるものなんだねえ。
お店の人と時々適当に話したりしながらまったりとした時間を過ごす。
ほんと安らげるわー。
ってことで「ゆるブル Wheat」2杯目!
まだ腹減りだったので久しぶりに「アボカドとチーズのフリット」なんぞを注文してみたりして。
これも美味しいビールにすごく合うんだよねーってここの料理全部美味いんだけどな。
このサクサク&トロッの魅力に抗うことなんて誰にもできない。
そして「Go To IPA」も「其の十」も2杯目!
またまた飲みすぎパターンだな。
でもね、ベイビーだと僕の限界もわかってくれてるし、やばくなる前に水もスッと出してくれるから安心して酔えるのねん。
そして「其の十」が好きすぎて撃ち抜いた!なんかうれしい。泡だらけが誇らしい。
後ろでVサインをしているのは僕ではなくて看板娘。言わなくてもわかるか。
「其の十」がなくなってしまったので、いわて蔵ビールのIPAを。
しっかりとしたモルト感がとっても美味しいイングリッシュスタイルのIPAなんだよ。
こういう美味しいビールを不味いビールばっかり作ってるあそこの店の人たちに飲ませたいわって言いながら飲んでた。そう簡単にはできませんよーって話になったけどね。
そしてまた別の日。
この日はすでに満席状態で僕はいつもなら店のマスコットであるベイビー君が立っているカウンターの一番端で立ったままでのスタート。
写真はベイビー君であって僕ではない。そんなんわかるわ。
まずは Green Flash Brewing の「Tangerine Soul Style IPA」から。
この日の Tangerine Soul Style IPA も予想以上にオレンジっぽい風味で苦味もしっかりとしていてすごく美味しい。
ゲップまでオレンジの香りがしてまるでサンクトガーレンの湘南ゴールドをIPAにしたみたい。
そういえば初めて湘南ゴールドを飲んだのもクラフトビアベイビーだったな。
アメリカンなIPAにはやっぱり肉でしょってことで霧島山麓豚のローストポーク。
イベント用の特別メニューからレギュラー入りした実力派。いつも安定の美味しさ。
しっかりと味が染み込んだほどよい弾力のある味わい深い豚肉。素材の旨味もさることながら前田さんの料理は何を食べても美味しいんだよ。
ハウスIPAや其の十ももちろん美味しいんだけど、なんだかんだ言っても基本のこいつはストレートに美味しい。好きです志賀高原IPA。
まだ Baby Blonde Miyama 飲んでないでしょってことで半強制的に(言い過ぎ)志賀高原ビールの「Baby Blonde Miyama」を。
クセのない飲みやすいエールだよねん。迷ったらとりあえず飲んどけ的に美味しい。
あんまり暑いから夏らしくゴーヤのナムル。
ゴマの風味とゴーヤの苦味が絶妙にいいんだよなあ。
そんなわけで「Tangerine Soul Style IPA」2杯目突入!
みおちゃんVサイン率高し。
ビールサーバのシステムの違いによって出しやすいビールも決まってくるんだって話をしてたけど、なんでそんな話になったのか記憶が曖昧。
でもそういうゆるい感じが楽しいんだよなあ。
なんてまったりしていたら軽く飲んで帰るつもりが何故か志賀高原IPAも2杯目へ。
ビールを飲むと食欲が増進しちゃうんで困ったもんだなって思いながらやっぱり食べちゃう「とろ〜りチーズのチリコンカン」。
酔ってるから熱々をガブッといってしまって口の裏側の皮がペロンってむけたー。口の中の感触が気持ち悪い。
でもチリコンカンは美味しい。すっごく美味しい。
そんなわけで「Tangerine Soul Style IPA」3杯目。え?なんで?
まあ美味しいビールは何杯飲んでも美味しいわけで。美味しいならそれでいいじゃないってことだよ。美味しくないビールはパブリックエネミー。
最後にちょっとだけミックスナッツをハーフで。カシューナッツ好きですか?もちろん!ってことでカシューナッツましまし。
そういえばベイビーでミックスナッツ食べるの初めてだった。
そんな大好きな CRAFT BEER BABY! が2017年7月29日で閉店するってこの日の帰り際に前田さんから聞かされて僕は言葉を失った。
今週の土曜日であの素敵な空間がなくなってしまうと思うと残念で仕方ない。
これが飲まずにいられるかっ!ってことで昨晩は飲みすぎてしまって今日はお店に行けなかった。下の写真は昨日のInstagram...
志賀高原IPA 志賀高原ビール2杯目!#これが飲まずにいられるかってんだ
できることなら間違いであって欲しかったが昨日のお店のFacebookで正式に発表されてしまった。泣きたい。
明日から土曜日まで毎日行けるかな......
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[ま]動物農場 ーおとぎ話ー(ジョージ・オーウェル)/権力が腐敗する様を滑稽に描いた名作 @kun_maa
あの未来のディストピアを描いた「1984年」で有名なジョージ・オーウェル。
彼の短編集のタイトルになっている中心的な作品にして「1984年」に負けずとも劣らず有名な作品がこの「動物農場 ーおとぎ話ー」だ。
動物たちを主人公にした寓話で社会主義革命後のスターリン体制下におけるソ連邦の権力機構が腐敗していく様を農場に見立てて滑稽に描いている。
年老いた豚で農場中の動物たちの尊敬の的であるメージャー爺さんが見た夢と予言、そしてその予言を実現するための扇動的な演説からこの物語は動き始める。
動物の一生は悲惨な奴隷生活であると断じ、そのような生活をせざるを得ない元凶は人間の存在であると扇動するメージャー爺さん。
「人間」こそ、われわれの唯一の、真の敵である。人間をこの農場より追放せよ。しからば、飢餓と過労の根源は、永久にとり除かれるであろう。
この物語に登場する動物たちはお世辞にも賢いとはいえず、そこがまた人間っぽくて親しみやすいところなのだが賢くない故に刺激的な言葉に安易に扇動されてしまう。
人間以外のすべての動物は平等であるとして豚を中心に蜂起した動物たちは農場主の人間たちを実力行使で追い払ってしまう。
立派な理想を掲げて動物たちが自ら運営する「動物農場」は動物たちみんなにとって素晴らしい社会となるはずだった。
しかし力と賢さを持たない理想主義は権力志向の前にもろくも崩れ去っていく。
次第に権力を手中にして農場を支配していく豚たち。
情報を統制し賢くない動物たちが気がつかないうちに主義主張を改変することで豚にとって都合のいい社会にしていく豚たち。
何か変だなと思いながらもそれを主張することができずに人間の代わりとなる豚たちの支配を受けいれる動物たち。
豚の中での権力闘争とその権力争いに敗れた豚に対する猛烈な批判と事実の捻じ曲げ。
独裁者となった豚は農場内部に問題が起こると動物たちの関心を作り上げた外敵に向けさせ、すべての問題は自分たちではなく外敵が悪いのだと思い込ませる。
そして徹底した情報操作で事実を動物たちから隠し、都合が悪くなると人間に統治されていた最悪の時代に戻りたいのかと不安を煽る。
それに比べれば今の生活はとてもいいのだと思い込ませて人間たちの時代以上に動物たちを酷使し彼らから搾取していく。
最初に僕はこの作品のことを「社会主義革命後のスターリン体制下におけるソ連邦の権力機構が腐敗していく様を農場に見立てて描いている」と紹介した。
オーウェルはおそらくそのような意図でこの物語を書いたのだろうが、このような権力が腐敗していく様子と権力者の行動パターンは何も旧ソ連に限ったことではない。
登場する動物たちを他の時代、他の国の人物に当てはめても十分に通じるのではないだろうか。
権力者となった豚は情報を独占し狡猾に立ち振る舞う。しかしそんな権力者に疑問を感じながらも黙々と従ってしまう動物たちの姿こそが哀れであり愚かであり自分がそうではないとは言い切れないモヤモヤとした気分を感じさせられる作品なのである。
権力を腐らせるのは結局愚かな民衆なのではないかという問題意識を思い起こさせるからこその名作なのだろう。
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