[ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

ぷるんにー(พรุ่งนี้)とはタイ語で「明日」。好きなタイやタイ料理、本や映画、ラーメン・つけ麺、お菓子のレビュー、スターバックスやタリーズなどのカフェネタからモレスキンやほぼ日手帳、アプリ紹介など書いています。明日はきっといいことある。

[ま]ゴーストライター(ロマン・ポランスキー監督作品)/素晴らしく上質なミステリー映画 @kun_maa

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こんにちは!映画って本当にいいですね @kun_maa です。
ちょっと古いけど素晴らしい映画に出会いました。

ゴーストライター (字幕版)

 
ロマン・ポランスキー監督、ユアン・マクレガー主演のサスペンス「ゴーストライター」(2010年英仏独作品)です。
 
原作者のハリス自身とポランスキーが脚色しており、ベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀監督)ほか多数の映画祭で数々の賞を受賞した作品です。
 
 
<あらすじ>
元英国首相アダム・ラング(ピアース・ブロスナン)の自叙伝執筆を依頼されたゴーストライターユアン・マクレガー)。
ラングが滞在する真冬のアメリ東海岸にある孤島に赴き、取材をしながら原稿を書き進めるうちに、ラング自身の過去に違和感を覚えるようになる。
やがてそれは前任者の不可解な死に対する疑問となり、その謎を追いかけることで国家を揺るがす恐ろしい秘密に触れてしまう。
そして、さらにラングの妻ルース(オリヴィア・ウィリアムズ)と専属秘書アメリア・プライキム・キャトラル)とともに巨大な渦にはまってゆくのだった・・・。
                 (作品公式ホームページより引用)

 

本格サスペンスとはいっても、そこはポランスキー作品です。

 
ハリウッド映画的な派手なドンパチはなく、とても静かなそしてその静かで陰鬱な空気のなかで淡々と進んでいく第一級のサスペンス映画です。

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作品の舞台となるアメリ東海岸の孤島のモノトーンで寂寥とした空気が、作品全体を暗く覆うような感じがします。
それはまるで作品のストーリー展開を象徴しているかのように陰鬱です。
 
元首相の自伝を書くゴーストライターとなった男が、前任者の資料の中から偶然見つけた元首相の経歴に関する不可解な資料。
 
彼はその資料から前任者の不審な死に興味を抱き、たまたま前任者が使っていた車に乗ったが為にカーナビに導かれるように疑惑の中心人物のもとに足を踏み入れてしまい、陰謀の闇に巻き込まれていきます。
 
この作品、ストーリー展開の上手さがハンパないです。
 
決して謎解きを急がず、それでも次第に膨らんでいく不穏な雰囲気。
 
分かりそうで分からない「前任者の残した謎」。
 
誰が敵で、誰が味方なのか、何が真実で、何が嘘なのか。
 
ヒーローでも何でもない無力で無名な主人公(最後まで彼の名は明かされません!まさにゴーストライター)を通じて、不似合いな正義感とちょっとした野次馬根性を出してしまったばっかりに、巻き込まれていく大き過ぎる陰謀の行方に観ている方もじわじわと引き込まれていきます。
 

本当によくできたストーリーで社会派サスペンス映画の中でも超一級品だと思います。

 
最後に明らかにされる驚愕の真実と黒幕、そしてエンディングの意外な結末。
 
ラストシーンで原稿が風に舞う映像が、得体の知れない空恐ろしさとせつない余韻を残します。
 
まだご覧になっていない方には、超絶おすすめしたい作品。
 
ちなみに、この映画に登場する元英国首相ってブレア元英国首相をモデルにしているようです。
英国の政治に詳しい人が観るともっと楽しめるのかも知れませんね。 
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[ま]ランドセル俳人の五・七・五(小林凛 著)/俳句で泣けるとは思わなかったな @kun_maa

俳句と聞いて何を思い出すだろうか。

僕は松尾芭蕉小林一茶など著名な俳人の名前くらいしか思い浮かばなかった。俳句そのものに触れる機会もないし俳句というものにほとんど興味がなかったのだ。

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「俳句への挑戦」

この日本には、いじめられている人がたくさんいる。

僕もその中の一人だ。いじめは一年生から始まった。

からかわれ、殴られ、蹴られ、時には「消えろ、クズ!」とののしられた。それが小五まで続いた。僕は生まれる時、小さく生まれた。「ふつうの赤ちゃんの半分もなかったんだよ、一キロもなかったんだよ」、とお母さんは思い出すように言う。

だから、いじめっ子の絶好の標的になった。危険ないじめを受けるたびに、不登校になってしまった。そんな時、毎日のように野山に出て、俳句を作った。

「冬蜘蛛が糸にからまる受難かな」これは僕が八歳の時の句だ。

「紅葉で神が染めたる天地かな」この句は、僕のお気に入りだ。

僕は学校に行きたいけど行けない状況の中で、家にいて安らぎの時間を過ごす間に、たくさんの俳句を詠んだ。僕を支えてくれたのは、俳句だった。不登校は無駄ではなかったのだ。いじめから自分を遠ざけた時期にできた句は、三百句を超えている。

今、僕は、俳句があるから、いじめと闘えている。

これは本書の冒頭に書かれた著者である小学生の俳人小林凛君の文章である。

とても小学生が書いた文章とは思えないリズム感と読みやすいテンポが備わっていて、素直に気持ちが伝わってくる文章だ。

ランドセル俳人の五・七・五 いじめられ行きたし行けぬ春の雨--11歳、不登校の少年。生きる希望は俳句を詠むこと。

 

本書の著者である小林凛君は2001年5月、予定よりも3ヶ月も早く944グラムの超低体重児で生まれた。医師からは「命がもつか、まず三日間待ってください」と言われたそうだ。何度も入退院を繰り返し、水頭症の疑いもあることから年に1度はMRI検査を受けなければならない。

彼は4歳の頃から誰に教わることなく、五・七・五の17文字で自分の思いを表現するようになったという。

 

そんな彼を待ち受けていたのは小学校での過酷ないじめと、それを見て見ぬ振りをする学校の実態だった。彼にとって頭部への打撲は命取りであり、危険から身を守るためにも不登校という選択をせざるを得なかったという。

 

本書には、彼が8歳から11歳の間に詠んだ俳句が載っている。彼が自ら描いた絵とともに紹介されているものもある。俳句も絵もとてもじゃないが僕にはマネのできない素晴らしさだ。なんていうか、技術的なことはよくわからないけど作品の持つエネルギーが胸を打ち直接心に問いかけてくるといったらいいのだろうか。

 

僕は最初にも書いたとおり俳句には興味がなかったし、子どもの頃から授業で俳句を習っても苦手意識が先行してしまった。

句を詠むことはもちろんできないし有名な句を見ても想像力が足りないせいか情景が全くと言っていいほど浮かばないからだ。

 

でも本書で彼の俳句に触れた時、その言葉の瑞々しさと表現力の鋭さに驚かされた。

僕にも情景が浮かんできた。

そしてなによりも過酷ないじめにあうという苦境にありながらも、決して荒んだり卑下することなく心の豊かさと感受性を失わない芯の強さに驚かされた。

次に挙げるのは僕が好きな彼の俳句の一部だ。

「苦境でも力一杯姫女菀」 

「蓮の花祖父を送りて沈みけり」

「紅葉で神が染めたる天地かな」 

「肩並べ冬のアイスに匙ふたつ」

「飼い犬のムンクの叫び寒空に」 

 「夕焼けやもう居ぬ祖父はどの雲に」

「いじめ受け土手の蒲公英一人つむ」

「いじめられ行きたし行けぬ春の雨」

「生まれしを幸かと聞かれ春の宵」

俳句で泣けることってあるんだな。

初めてそんな経験をした。 

ランドセル俳人の五・七・五 いじめられ行きたし行けぬ春の雨--11歳、不登校の少年。生きる希望は俳句を詠むこと。

ランドセル俳人の五・七・五 いじめられ行きたし行けぬ春の雨--11歳、不登校の少年。生きる希望は俳句を詠むこと。

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[ま]灼熱の魂/運命を呪いつつ母性の強さを思い知らされる秀逸な映画 @kun_maa

映画で他人の人生を疑似体験することは楽しみではありますが、それは時にとても辛い体験となることもあります。この映画もそんな作品のひとつ。

灼熱の魂 [DVD] 

この「灼熱の魂」はアカデミー賞外国語映画賞にノミネート、ベネチア国際映画賞、トロント国際映画賞などで賞を受賞している作品です。
 
プールサイドで突然放心状態になりそのまま亡くなってしまった母親の遺言から、死んだと聞かされていた父親と存在すら知らなかった兄を探すことになる双子の姉弟の物語です。
母親の遺言は父と兄を探し出して母からの手紙を渡すこと。
それまでは墓石に自分の名前すら彫らないで欲しいという強い願いでした。
 
父と兄を探す旅は国境を越え時を超えて、風変わりだった母親の過去をさかのぼる旅となります。
 
母親との確執があったためか、弟は旅に出ることを拒絶し最初は姉だけが舞台となる中東の国へ。
 
物語はそこから母ナワルの回想シーンと、娘ジャンヌの母の過去を辿る旅とが交錯して描かれていきます。
母ナワルの若い時の役の女優と娘ジャンヌ役の女優の顔が似ているために少し混乱します。よく似ている女優を探したなあって感心。
そして観客もまた、ジャンヌや途中から旅に加わることになった弟シモンと一緒にナワルの生涯をたどることになります。
 
徐々に明らかになる母ナワルの壮絶な人生。
それは民族や宗教、宗派間の抗争、部族社会と人間の不寛容がもたらす血塗られた歴史を背景に理不尽な暴力の渦中にのみ込まれ翻弄されていったナワルのこれまで誰にも知られることのなかった切なく苦しい人生そのものです。

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中東の某国(最後まで国名は出てきませんが、原作者の出身地がレバノンなので恐らくレバノンの内戦時代)での宗教や宗派が複雑に絡み合う内戦状態の中、ナワルはある理由からテロ組織に身を投じキリスト教右派の指導者を殺害して15年もの間、拷問が当たり前の監獄に収監されていたのです。

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父への手紙と兄への手紙がなぜ別々でなければならなかったのか。
姉弟が最後にたどり着いたあまりにも残酷でおぞましい衝撃的な真実とは何か。
あの日、プールサイドでナワルが放心状態になったのはなぜなのか。

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この映画のすごいところはすべての真実が明らかになったときに、それまでの断片的なシーンが一気に繋がる伏線の張り方の妙にあります。壮絶な人生の追体験に加えて張り巡らされた謎と隠された真実。
 
ジャンヌとシモンとともに謎に迫っていき、真実を知った時の観客の衝撃といったら。
まさに打ちのめされるという言葉がぴったりの作品です。
 
運命を呪いたくなります。
 
そして、それでも無償の愛を抱ける母性の強さを思い知らされました。  
灼熱の魂 (字幕版)

灼熱の魂 (字幕版)

 
 
この作品は観客もジャンヌとシモンとともに真相に迫って行くことが醍醐味なので、ネタバレするとその衝撃もストーリーの素晴らしさも台無しになります。
そうならないよう気をつけて感想を書いたつもりです。
 
もし気になった方がいたら、ぜひ自分の目でナワルの人生をたどり、衝撃の結末を体験して欲しいです。そんなことを思わされた秀逸な作品。
 

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[ま]Kindleストア【120冊半額】春の光文社新書フェア開催中/4月20日まで @kun_maa

未読本が減らずにどんどん増えていきます。

Kindle本が手軽すぎてついポチポチしてしまうのに加えて、紙の本で読みたい種類の本っていうのも確実にあってそちらもホイホイ買い込んでしまうものですから手持ちの本が減るわけがありません。

そんな状況なのにKindleストアでセール中の表示を見かけると、やっぱりチェックせずにはいられない僕は買い物依存症なのかもしれません。

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【120冊半額】春の光文社新書フェア

今回ご紹介するのは春の光文社新書フェアと題して、人文・思想系から科学やビジネス書、歴史や芸術まで幅広くカバーしている光文社新書Kindle本120タイトルが半額となっているセールです。

Amazon.co.jp: 【120冊半額】 春の光文社新書フェア(4/20まで): Kindleストア

 

手軽に知的好奇心を満たすことができる新書はついつい買いすぎてしまう傾向があるのですが、まあ半額なんで気になるタイトルがあればこの機会に買っておくのもいいんじゃないかと思います。

それでは僕が気になった本をピックアップ。 

忙しい人のための「自重筋トレ」 (光文社新書)

忙しい人のための「自重筋トレ」 (光文社新書)

 
結婚と家族のこれから?共働き社会の限界? (光文社新書)

結婚と家族のこれから?共働き社会の限界? (光文社新書)

 
闇経済の怪物たち?グレービジネスでボロ儲けする人々? (光文社新書)
 
森山大道 路上スナップのススメ (光文社新書)

森山大道 路上スナップのススメ (光文社新書)

 
人体 失敗の進化史 (光文社新書)

人体 失敗の進化史 (光文社新書)

 
医療探偵「総合診療医」?原因不明の症状を読み解く? (光文社新書)

医療探偵「総合診療医」?原因不明の症状を読み解く? (光文社新書)

 
精神障害者をどう裁くか (光文社新書)

精神障害者をどう裁くか (光文社新書)

 
今を生き抜くための70年代オカルト (光文社新書)

今を生き抜くための70年代オカルト (光文社新書)

 
大麻ヒステリー?思考停止になる日本人? (光文社新書)

大麻ヒステリー?思考停止になる日本人? (光文社新書)

 
検証 東日本大震災の流言・デマ (光文社新書)

検証 東日本大震災の流言・デマ (光文社新書)

 
〈宗教化〉する現代思想 (光文社新書)

〈宗教化〉する現代思想 (光文社新書)

 

とりあえずこんなところで。

他にもたくさんの興味深い本が揃っているので、対象本にひととおり目を通してみるのも楽しいと思います。

だいたい1冊350円程度ですし、たとえ10冊ポチっても4000円いきませんから1回飲みに行くのを我慢すれば大丈夫な感じでしょ。

未読本が増えてもいいじゃないですか(開き直った)。

Amazon.co.jp: 【120冊半額】 春の光文社新書フェア(4/20まで): Kindleストア

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[ま]人に優しく @kun_maa

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朝の通勤時間帯の混み合うJRの駅。

大勢の人間が忙しなく行き交っている中で僕は突然声をかけられた。

京浜東北線に乗るにはどこに行けばいいですか?」

振り返るとひとりのお婆さんが僕をじっと見つめながら、もう一度同じ言葉を繰り返した。

 

最初に思ったのは「なんでこんなにたくさん人がいるのに、よりによって僕に声をかけるんだよ...」ってこと。

そう、僕も仕事に行くために急いでいたんだ。

たぶん不愉快な気持ちが思いきり顔に出ていたと思う。

 

それでもお婆さんは僕を見つめてもう一度繰り返す。

京浜東北線に乗るにはどこに行けばいいですか?」

「そこのエスカレーターで下に降りて左に改札がありますから!」そう早口で言いながら僕は足早にその場を去ろうとした。しかしお婆さんは僕の言ったことを理解していないようだった。きっと嫌がらせのように早口でぞんざいな言い方だったから。

「エレベーターで上に行くんですか?」背後から僕に向かってそう問いかけるお婆さんの声が聞こえた。

そうだった。エスカレーターの隣にはエレベーターがあったんだ。よく聞き取れなければ勘違いしてしまう。

そのまま聞こえなかったふりをして行ってしまおうかと思った。

しかし僕は迷惑そうな顔で振り返り、「違う違う、そこのエスカレーター!下に降りて左に改札があるから!」とお婆さんに邪険な言葉を投げつける。

「切符はどこで買えますか?」

「(ちっ!)改札の横!」

そんな横柄な態度の僕に対してお婆さんは、深々と頭を下げて「ありがとう」と言ってエスカレーターで降りて行った。

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お婆さんの丁寧で優しげな「ありがとう」という言葉を聞き、深々と頭を下げる姿を見たとき僕はハッとした。

なんで自分はこんなにも不機嫌にお婆さんに接してしまったのだろうと。

たしかに僕は急いではいたけれど、電車の乗り場を教えるくらいで遅刻するような切羽詰まった状況でもなかったのに。

もし仮に遅刻しそうだったとしても、ちゃんと丁寧に教えてあげて遅刻すればいいじゃないか。遅刻したところで死ぬわけでもあるまいし。

 

人に優しくありたい。僕は今までそう思っていた。

でもそんなものはほんの少しの慌ただしさという言い訳の前に偽善の仮面をかぶる余裕すらないちっぽけなものでしかなかった。偽善の先っちょにも引っかからない優しくありたいという醜悪な嘘。

僕のお婆さんに対する態度がすべてを物語っていた。

 

自分に余裕がある時に他人に優しくできるのは簡単なことだ。

余裕がない時にこそ本性が現れる。

改札の場所がわからず切符売り場にも行けないお婆さんに対して、あからさまに迷惑そうに接したこの時の自分の姿が本当の自分。

実に情けない姿だった。何が人に優しくありたいだ。人間性が薄すぎて反吐がでる。

 

駅の雑踏の中、慌ててお婆さんの姿を探した。でもその姿はもう僕の視界から消えていた。あのお婆さんはちゃんと切符を買って京浜東北線に乗れたのだろうか。

あんな不愉快極まりない態度をとった僕に対して頭を下げて丁寧にお礼を言ってくれたお婆さん。

あのお婆さんのような心根からにじみ出る優しさを僕も身につけたいと思った。

どんなときでも。誰に対しても。人に優しくありたい。

どんな時でもブレない強さを伴った優しさを身につけたい。

そんな気持ちを思い出させてくれた朝のひとコマ。恩送り。

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[ま]タイの不思議な霊(ผี)体験 /家を守るピー・クマントーン(ผีกุมารทอง) @kun_maa

おっす!霊感はないけど霊体験はそれなりにある @kun_maa です。

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タイには、ピー(ผี)と言って幽霊というか精霊というか、まあ表現の仕方はちょっと難しいのですが要はそういった霊的なものが至る所にいると信じられています。なんとなく日本の八百万の神みたいな感覚でしょうか。

タイの街を歩いているとよく見かける小さな祠、あれもピーを祀ったものです。

バンコクで有名な旧そごうの近くにあるエラワン・プームなんかもそうなのかな。

あれも確か工事現場で事故が多発してそれを収める為に造ったはずだけど、でも祀っているのはヒンドゥー教の神様か。ピーじゃないか。どうなんだ。

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僕がハマっているタイのお守りプラクルアンも、実は仏教とピー信仰の融合したものだと考えられています。

そんなピー信仰が今も日常生活の中に息づくタイで僕は以前にも不思議な体験をしました。 

kun-maa.hateblo.jp

 

ピーには、いわゆる妖怪や悪霊のような人に害を及ぼすものから土地神のようなものや木の精霊、家を守る精霊などホントいろいろな種類がいます。これが一口に幽霊だって括ることできない理由。

 

今回は僕がタイで新築の家に泊めてもらったときの体験。

その家のリビングの高いところに子供の形をした置物があり、水とお菓子が供えてあったのでなんの神様なのかなと思い家主にたずねてみました。

するとお寺から男の子のピーを借りてきて家の中を守ってもらっているとのこと。

お寺ではピーまで貸してくれるのかとちょっと驚きましたが、きちんとお参りだけはしておきました。

 

その日の夜中、2階の部屋で寝ていると誰もいないはずの1階のリビングで、時折バタン!とかガン!とか音がしていました。

何の音?って住人に聞くと、ピーが遊んでいるんだろうって...え?マジか。

 

翌日は1日中、家主や近所に住む家族と一緒にお寺や市場を訪れてすごし、市場でムーヤーン(豚肉の串焼き)とカオニャオ(もち米)、その他諸々のおかずを買って夜に家に帰りました。

 

買ってきた荷物をリビングのテーブルに置きひと息ついた時、荷物の奥の方にあったムーヤーンの袋だけが床にポトンっと滑り落ちました。

手前にも荷物がたくさんあるのになんで奥にあったムーヤーンだけが突然落ちたのかとっても不思議でしたが、家主は「男の子のピーがムーヤーンを食べたがっているのかもしれない」と普通の顔で言いました。普通のなんでもない出来事のように。

ピーがムーヤーンを食べたがっているならまずお供えをしないといけないのかなあと思いましたが、お供えをしなくてもピーの名前を呼んで(なんと名前がついているのですよ!)「一緒に食べよう」と声をかけてから食べ始めれば問題ないそうです。

 

まずムーヤーンを皿に移してからピーに声をかけ、次にビールを開けてグラスに注ぎました。喉がカラカラだったのでムーヤーンをつまみにしてビールを飲もうと思ったんです。

さて、まずは最初の一杯だよなと口元にグラスを運ぼうとしたときに異変は起こりました。グラスを持つ手が急にガタガタと震えだしたのです。

それまでなんの違和感もなく普通に使えていた右手が、グラスを口に近づけようとすればするほど激しく震えてとてもビールが飲める状態ではありません。

 

グラスを口から遠ざけると震えが小さくなり、グラスをテーブルに置くと震えが止まります。試しに他のものを持ってみましたが手は全く震えません。

ビールを飲もうとするときだけ、グラスを持った手が震えて止まらなくなるのです。

 

それを見ていた家主が「ピーがビールを飲みたがっているんじゃないかな?」と言いました。しかも真顔で。よくそんな真顔で怖いこと言うなって思ったんだけど彼女らにしたら日常の出来事のようなのです。アメージング・タイランド

純日本人の僕はそんなバカな......とは思いましたが、とりあえずこのままだとビールが飲めないので他のグラスにビールを注ぎ、お供えをしました(この間、手の震えは全くなし)。

 

その後、再びビールを飲もうとしたら最初よりは震えが小さくなりましたが、まだガタガタと震えてとても飲めません。

「お寺から連れてきた子供のピーは4人いるんだよ。まだ1杯しかあげてないから......」と言う家人の言葉に耳を疑いつつも、毒を食らわば皿まで的なヤケクソ気分で「全部飲んでいいです!でも僕にも少し飲ませてください!」と手に持っていたグラスをテーブルに置いて言いました。

 

しばらくそのグラスを見つめながらピーが満足するのを待ちました。

2分経ちました。ビールを飲もうとするとまだ少し手が震えます。

5分経ちました。ビールを飲もうとしても、もう全く手は震えませんでした。

どうやらこの家の子供のピーは僕と同じでビールとムーヤーンが好物のようです。

 

思い返すほどになんとも不思議な体験でした。

その後、滞在中にビールを飲もうとしても手が震えることは二度とありませんでした。

夜中に1階から不思議な音がすることはしょっちゅうでしたけど。

もしかしたら、突然家にやってきた異邦人の僕をピーがからかったのかもしれませんね。

 今だから言うけど、子供のくせにビール飲むなよな!まったく。

 

この子供のピーのことをタイ語でピー・クマントーン(ผีกุมารทอง)と言います。

日本で言うと「ざしきわらし」みたいな感じでしょうか。

昔は流産した子供の遺体を使ってクマントーンのお守りを作ったりしたという、かなり恐ろしい話を聞いたことがあります。

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