[ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

ぷるんにー(พรุ่งนี้)とはタイ語で「明日」。好きなタイやタイ料理、本や映画、ラーメン・つけ麺、お菓子のレビュー、スターバックスやタリーズなどのカフェネタからモレスキンやほぼ日手帳、アプリ紹介など書いています。明日はきっといいことある。

[ま]FiNC で AI にコミット/キレイや健康寿命を手に入れてみないか(招待コード有り〼) @kun_maa #fincblogger

禁酒&断糖ダイエット絶賛継続中の @kun_maa です。

最近ダイエットに凝っているということもあり、先日モバイルヘルステクノロジーベンチャーの株式会社FiNCさんにお邪魔しまして、「FiNC × Blogger meetup」というイベントに参加させていただきました。

モバイルヘルステクノロジーってなんぞ?って思った上に、自分がブロガーに分類されるのがとてもこそばゆい感じだったのは内緒。

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株式会社FiNCとは

2012年4月設立のまだ若い会社です。若い会社ですがけっこうすごい。

設立当初は社員20名程度の小さな会社だったそうですけど、現在ではアルバイトやインターンも含めて221名の従業員を擁し、資本金も36億1200万円。

本社は都内の有楽町駅近にある新有楽町ビルに構えています。

主要株主は、ANAカゴメ、キューピーにクレディセゾン、第一生命、三菱地所明治安田生命などなど錚々たる顔ぶれ。

 

それでは一体どんなことをやっている企業なのかというのを僕なりにざっくりいえば、病気になる前の未病状態、健康の予防領域に特化した事業を展開して業績を上げている会社ってところかな。

企業理念は「一生に一度のかけがえのない人生の成功をサポートする」っていうものです。この中の「成功」が何を意味しているのかは聞き忘れちゃったんだけど、展開している事業を勘案すればたぶんショーペンハウアーが言うところの「健康な乞食の方が、病める王よりも幸福である」的な意味での成功。

つまり「健康」なんじゃないかなって思ってます。違ったらごめんね。

 

でも掲げる行動指針が次のとおりなのであながち間違ってないんじゃないかな。

行動指針

私たちは、最先端の検査技術やITテクノロジーを駆使して、世界中の人々に、パーソナライズされた知識・理解・認識・経験・情報と最適なソリューションを提供し、顧客の成果とその維持をサポートする。

このような事業展開を通して、健全な収益性とプロフェッショナルな人材で構成されたNo.1 Wellness & Beauty Company となる。 

でね、FiNC のすごいところは企業理念や行動指針を実現するために口先だけの情報屋になるのではなくて、スタッフに看護師、医師、薬剤師やトレーナー、栄養士などの予防領域の専門家と、データサイエンティストやエンジニア、遺伝子や生物学等のライフサイエンス領域の研究者からなるプロフェッショナル集団を構成して、いわゆる「虚業」ではない「実業」の部分を積極的に進めてきたことなんだと思うんですよ。

展開してきたサービスは次の5分野。

どれも健康やキレイになることを軸として情報提供はもちろん実際に行動している部分が大きい。モールとオンラインワークスは他の3つとはちょっと毛色が違うけど。

  1. FiNC ダイエット家庭教師
  2. FiNC プライベートジム
  3. FiNC for Business
  4. FiNC モール
  5. FiNC オンラインワークス

情報やテクノロジーをむやみやたらと提供するだけじゃなくて、それを裏付ける「実践」を積み重ねてきた強みがあるんだなあって思いました。

いい加減で薄っぺらな情報じゃなくて実践とプロの知識に裏付けられた健康や美容に関する本当に信頼出来る情報と継続させる手法を持っている会社って感じ。

あれ?褒め過ぎたかな。

FiNCの社内はとても素敵だった

社内を見学させてもらったんだけど、これがまたカッコよくてトレンディドラマ(死語か)に出てきそうないい雰囲気。

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オフィス部分とトレーニングジムの部分が左右に分かれているんだけど、中央部分にはキッチンがあったりスタジオ的なスペースやマルシェ的なところがあったりしてイベントの開催にもいいよね。ってかこんな会社見たことないぞ。

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レーニングルームには1台300万円もする「キネシス」という超セレブなマシンが個室となっているトレーニングルームそれぞれに1台ずつ、合計3台もありました。すげー。

ここで実際に個別指導も行われているんです。

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エステルームは薄暗くてなんだかとてもリラックスできそうな雰囲気。

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オフィススペースは普通のデスクの他にファミレスタイプの席やスタンディングデスクなどが揃っていてとても居心地が良さそう。

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エンジニアルームはデスクも椅子も特別待遇。特に椅子はハーマンミラーとかいう(よく知らんのよ)とても高級な椅子らしいです。座り心地最高でした。1台持って帰りたいくらい。

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印象としては働いている人たちはとても楽しそうだし、オフィス環境も整っているし社員を大事にしている会社だなあというもの。社員が健康じゃなかったら客を健康になんてできないっすよね、やっぱ。

FiNCアプリについて

さてようやく本題。

今回の「FiNC × Blogger meetup」というイベントもアプリの紹介がメインテーマ。

だけどいきなりアプリの説明だけをしても、そんじょそこらのやっつけ仕事のアプリと一緒だと思われるのもつまらない。

実践の積み重ねやプロの知識を注ぎ込んだ基礎のしっかりしたアプリという素晴らしさが伝わりにくいかなあと思って、まずFiNCって会社がどんな会社なのかをご紹介したわけです。

ちなみに報道発表によると FiNC はこのアプリの開発及びマーケティングを強化・加速させるために株主企業や未来創生ファンドなどから、総額20億円強の資金調達を果たしています。やっぱりすげーな。

 

さて、この会社名と同じ名前の「FiNC」というアプリ。

どんなアプリなのかというと、あなたの健康情報を正しく蓄積して使えば使うほどあなたにフィットするパーソナルコーチアプリと呼べる代物です。

あなたの生活習慣に合ったタスクを提案したりエクササイズを提案したりと、これまでの十把一絡げ的な健康管理アプリとは異なり、ひとりひとりのライフスタイルに合った運動、栄養、休息などをAI(人工知能)を活用して提案してくれるというもの。

AI技術を活用して健康的な生活習慣を継続できる工夫が随所にされているので、使い倒せば使い倒すほどパーソナルコーチと化し、コミットすることでキレイや健康寿命(人の手を煩わせずに健康に長生きできること)を手にすることができるようになるのです。

しかもアプリ自体は無料で、その後も費用がかからないフリーコースでも十分満足出来る感じ。

さらに専門家の個別指導や遺伝子検査などを望む人がいれば、別途費用はかかるけどアプリのパーソナル情報化が進むってイメージ。

ざっくりとしたアプリのイメージはこちらの映像を御覧ください。おしゃれだ。


FiNC(フィンク)アプリ「Start with FiNC」篇(フルバージョン) ※マギーさん出演・最新ヘルスケアアプリ

 

ところで、この「FiNCアプリ」は現在招待制となっていて一般の人は利用できません。

ダウンロードした後に「招待コード」を入力しないと使えないのです。

でもご安心ください。ここにちゃんと招待コードをご用意させていただきました。

招待コード:glc7jav2

もちろん無料なので安心して使ってください。

 

アプリのダウンロードはこちらからお願いします。

iPhoneiPadはこちら。

m.onelink.me

Android端末はこちら。

m.onelink.me

FiNCアプリプレゼントキャンペーン

僕のブログからFiNCアプリをダウンロード、上記の招待コードでアカウント登録を行って、初回チュートリアル(ニックネームを入力するところまでが必須)を完了された方は、ご面倒でもキャンペーンに参加していただくと、もしかしたらいいことがあるかもしれません。

実は「FiNC × Blogger meetup」に参加したブロガー(やっぱりなんか照れるな)は、ひとり1記事以上 FiNCアプリのことをブログに書くことになっているのですが、その中で一番アプリの招待に応じた人が多かったブログの読者さんに FiNC からプレゼントが贈られます。

参加者を見回してみると有名なブロガーさんたちばかりなので僕が一番になる可能性は限りなく0に近いのですが、みんなが応援してくれて万が一僕のブログが1番になることができたら抽選で2名の方にお一人2万5千円分の商品をお贈りします。

お贈りする商品は2万5千円のAmazonギフトカードを1名様に、FiNCモールで販売しているグッズの中から僕がセレクトした2万5千円相当の「キレイに健康ダイエットセット」を1名様に。

抽選は FiNC が行うので、僕の神の見えざる手が関与する余地はありませんからご安心を。

①キャンペーンに必要なアプリの操作について

アプリをダウンロードしたら次のように画面に従って入力をお願いします。

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とりあえず次のスクショ部分までは必須です。でもせっかくなので最後まで入力して利用していただきたいです。

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②キャンペーンの応募方法

1. 記事内リンクよりアプリをインストールする

2. アプリを立ち上げ、 記事内にある招待コードでアカウント登録を行う

3. 初回チュートリアルを完了させる(ニックネームを入力するところまでが必須となります)

4.「(欲しい方のプレゼント名を記入して)FiNCのプレゼント企画に応募する! #finc 」というメッセージとブログ記事URLを一緒にtweetする

5. 僕のtwitterアカウントをフォローする(@kun_maa

(当選した際の連絡手段としてtwitterのDMを利用させていただく予定です)

6.下記のリンクから応募フォームに登録

bit.finc.com

最後に 

僕もイベント後からこのアプリを利用しているのですが、使うほどになんだか愛しくなってくるアプリです。

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コンテンツも充実しているので、肩こりや腰痛解消のためのエクササイズを生活に取り入れたりしています。

これを読んでいただいた方にもぜひお試しいただきたい。おすすめのアプリです。

みんなでAIにコミットしてキレイや健康寿命をゲットしましょう。継続は力なり。

そしてできることなら招待者数第1位を獲得して、応募してくれた人の誰かにプレゼントが当たって欲しい!

さあ、お友達もお誘い合わせの上どんどん応募してくださりませませ。

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[ま]世界は宗教で動いてる/イスラム教贔屓(ひいき)を感じる宗教の入門書 @kun_maa

日本人は宗教を、経済・政治・法律・科学技術・文化芸術・社会生活と別物と思っているが日本以外のたいていの国では、それらをまるごとひっくるめたものが宗教であり、人類の知的遺産とは宗教のことだと著者は述べる。

そして今グローバル世界で必要なのは、異なった信仰や文明に属する人々が、どういう国際社会をつくっていけるかという構想であり、そのためには「宗教リテラシー」が不可欠だというのが著者の主張である。

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たしかに日本人として日本国内だけで生きていく上では、宗教は葬式や結婚式、初詣やお盆、お彼岸くらいしか身近に関わってこない。

それもどこまで宗教的意味合いをわかってやっているかというと大変心もとない。

それに対して、僕が訪れた東南アジアの国々では宗教そのものが生活に溶け込んでいる印象を受けたことは確かだ。欧米のことは知らんけど。

だから海外に出て行く上で無用な摩擦を避ける為には、やはり様々な宗教についてある程度の素養を身につける「宗教リテラシー」は必要だという実感はある。

 

慶応丸の内シティキャンパスで行われた講義を基に書かれたという本書は、質問やそれに答えるといった形式をとりながらユダヤ教キリスト教イスラム教という一神教の宗教からヒンドゥー教、仏教、儒教神道まで数多くの宗教についてわかりやすく概観していく。

それぞれの宗教に関わる説明は概略とはいえ、とても興味をそそる内容となっておりなかなかおもしろい。

 

ただ、1点気になったのは著者のイスラム教に対する態度である。

どうもかなりのシンパシーをイスラム教に対してもっているようで、他の宗教と対等に扱っているようには思えなかった。

何と言ったらいいか...とにかくイスラム教をベタ褒めなのだ。ひいきしているとしか思えない。

いや、もしかしたらイスラム教を貶した場合の原理主義者による報復を恐れているのか?まさかね。

著者のイスラム教ひいきは様々な点で表されているが次の文章が象徴的だろう。

さて、人類全体がムスリムになるとどうなるでしょう。争う理由がなくなりますから、平和が来ます。平和、これがイスラムです。イスラムは平和のための宗教なのです。(P.145)

ちょっと待って欲しい。

著者は「イスラムは平和のための宗教」だと言うが、自分の宗教における平和を願わない宗教がどこにあるだろうか? 

また様々な宗教が同じように考え、その勢力拡大のために多くの争いを引き起こしてきたのではなかったか。イスラムだけが平和な世界をつくりだす宗教だとなぜ言い切れるのか不思議でしかたない。

 

そんなイスラム教ひいきの部分を除けば、多くの宗教の概要を知ることができる宗教の入門書として適当な本なのかもしれない。

しかし、あくまでも概要を知るための入門書であって内容をすべて鵜呑みにすると誤った宗教観を身につけることになるかもしれないという危惧はある。

それはどんな本に対しても違いはないといえばそうなのだろうが。 

世界は宗教で動いてる (光文社新書)

世界は宗教で動いてる (光文社新書)

 
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[ま]Googleからメールで「警告メッセージ」をいただいたので全力でAdSense広告位置の修正中 @kun_maa

先週の金曜日の夕方にGoogleから「AdSense プログラム ポリシー遵守のための対応が必要な状態です」という長いタイトルのメールをいただいた。

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言葉使いは丁寧だけど太字で「警告メッセージ」という文言が文中に入っている。これは恐ろしい。以前の悪夢を思い出してしまった。

kun-maa.hateblo.jp

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前回は、いきなり広告の配信を停止されたのだが、今回はブログでの広告掲載方法がAdSenseのプログラムポリシーに違反しているからすぐに直しなさいよってことで、とりあえず配信は停止されていない。

ただ、すぐに直さないと広告の配信を止めるからな!っていう「警告」。その宣告はひしひしと伝わってきた。

 

具体的な違反項目は次のようなもの。

Google 広告を紛らわしい方法で掲載することは禁止されています。最適なユーザーの利便性を保つため、Google 広告とサイトのコンテンツは明確に区別する必要があります。これにはたとえば、スクロールしなければ見えない位置にコンテンツが押しやられ、コンテンツと Google 広告が区別しにくくなるレイアウトなどが含まれます。

 

そして、違反しているページの一例として挙げられているのが次のような状態。

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スマホで見た場合に画面が広告でいっぱいになってしまい、自分の文章などが全く入っていない。つまり画面の中に広告だけで自分のコンテンツがない。

こりゃ怒られるよな。

なんでこんなことになったかというとひとえに僕の怠慢が原因。

昔書いたエントリでは文頭に手貼りで AdSense広告を入れ込んでいたのだが途中からめんどくさくなって、全てのエントリのタイトル下に自動でAdSense広告が入るように変えた。

本来ならば、その時に手貼りしていた広告を削除しなくてはならなかったのだが、そのまま放置してしまったため、過去記事の多くで上の写真のような状態が発生していまったというわけ。

タイトル下と文頭のそれぞれに300×250サイズの広告が貼ってあったらこうなるよね。

 

個別の記事で気がついた時に少しずつ直してはいたのだが、なかなか大掛かりな修正をするまでの根性も時間もなかった。

そんなわけで警告メールが届いてからずっとひとつひとつのエントリの手貼り部分の位置を修正するという地味でしんどい作業を続けている。

目がしょぼしょぼして肩こりは悪化し腰も痛い。おまけにせっかくの休みだというのに他のことが何もできない。ブログを書く時間もなく書こうという気力も削がれてしまっている。最悪だ。どうしても書かねばならない案件があるのだがまだ手をつけられないでいる。何とかしなくては。

 

そんなふうに思いながらも、広告配置の修正ついでに漢字や言葉使いの変なところを直し始めたので余計に時間がかかる。さらに自分で言うのもなんだが僕のブログはおもしろい。過去の自分が考えていたことや感想を思い出させる玉手箱のようだ。いや、パンドラの箱か。

まあ、書いている本人がその当時おもしろいと思って書いているので、その本人が後から読んでおもしろいと思うのは当たり前かもしれない。自画自賛上等。

 

バカなことを書いているうちにまた貴重な時間が過ぎてしまった。

まだ180記事しか修正が済んでいない。全体を把握していないのだが、把握するのが怖いから敢えて把握していないというのものあるのだが、恐らく最悪の場合あと1100記事ほどは修正しないといけないかもしれない。ああ恐ろしい恐ろしい....

明日からはしばらく仕事も休めないし土日も仕事だ。今日ある程度なんとかしないといけないのだが、もう体がバキバキでしんどい。

 

こうしてブログに泣き言を吐き出しながらもひとりきりの部屋でギリギリと追い込まれていく感覚がたまらない。たまらないっていうのは気持ちいいとかそういうことではなくて本当につらいという素直な意味で。

さて、気分転換を終えて作業に戻るか......まるで囚人になったような気分だ。

Googleが支配する世界の監獄。 

第五の権力---Googleには見えている未来

第五の権力---Googleには見えている未来

 
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[ま]長いお別れ(レイモンド・チャンドラー 著)/マーロウの生き様に失われた男の矜持を見た @kun_maa

レイモンド・チャンドラーの代表作とも言われている長編ハードボイルド小説。

あまりにも有名で今更って感じだけど、僕にとっては若い頃にチャンドラーの独特の言い回しが好きになれずに途中で読むことを放棄した作品でもある。

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なぜ好きになれずに挫折した本を手に取ったのか。

それは以前 Kindle本でセールをやっていて購入したままになっていたからという単純な理由と、他にも挫折した本はたくさんあるのにこの本だけはなぜかずっと気になっていたから。

 

以前はその独特さが鼻について好きになれなかったチャンドラーの表現方法が、今回はすんなりと抵抗なく受け入れられた。というよりむしろそのおもしろさに取り憑かれてむさぼるように読んだといってもいいかもしれない。

作品は変わっていない。僕が歳をとって変わったのだ。

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有名な私立探偵フィリップ・マーロウは「かっこいい」。

「かっこいい」という言い方がふさわしいのかどうか不安だけど、イケメンとかそんなんじゃなくて男が男として憧れる「かっこよさ」だ。

不可解な事件に巻き込まれ、警察やヤクザものの暴力に晒され上に理不尽な扱いをされても自分の生き方を曲げない。ビビらず、媚びず、時に真っ向からでも立ち向かう。

そんなマーロウの不器用だけど、筋の通った生き方に失われた「男の矜持」を感じ取るのは僕だけじゃないだろう。

 

たぶん若かった頃の僕にはそういうものが何も見えていなかったし、魅力を感じることもなかったんだと思う。

そういう意味では読む人を選ぶ作品であることは間違いない。

言葉は悪いけど鼻っ垂れ小僧には理解できない魅力が、この作品全体を通して語られているのだと思う。

それは男の意地や友情であったり、裏切りや社会に対する皮肉であったり......薄っぺらい内容の探偵小説からでは決して感じることのない、多くのものをこの作品から感じ取ることができた。

僕も少しは大人になったのかもしれない。

 

もし次にいくつか引用した表現に抵抗がなく、おもしろい長編ハードボイルド小説を探しているなら、この「長いお別れ」を一読することをおすすめしたい。

私はめったに心を動かされない性質だが、彼はどこかに私の心をとらえるものを持っていた。それがなんであるかはわからなかった。わかっているのは白髪と疵あとのある顔とはっきりした声と礼儀が正しいことだけだった。

 

私たちは<ヴィクター>のバーの隅に坐って、ギムレットを飲んだ。「ギムレットの作り方を知らないんだね」と、彼は言った。「ライムかレモンのジュースをジンとまぜて、砂糖とビターを入れれば、ギムレットができると思っている。ほんとのギムレットはジンとローズのライム・ジュースを半分ずつ、他には何も入れないんだ。マルティニなんかとてもかなわない」

 

シルヴィアは幸福には違いないが、ぼくといっしょでなくたっていいんだ。われわれの社会では、どっちみち、そんなことは重要じゃない。働かないでよくて、金に糸目をつけないとなると、することはいくらでもある。ほんとはちっとも楽しくないはずなんだが、金があるとそれに気がつかない。ほんとの楽しみなんて知らないんだ。

 

「アルコールは恋愛のようなもんだね」と彼はいった。「最初のキスには魔力がある。二度目はずっとしたくなる。三度目はもう感激がない。それからは女の服を脱がせるだけだ」「そんなに汚いものか」と、私は尋ねた。 

 

「君はぼくを買ったんだよ、テリー。なんともいえない微笑みやちょっと手を動かしたりするときのなにげない動作やしずかなバーでしずかに飲んだ何杯かの酒で買ったんだ。いまでも楽しい想い出だと思ってる。君とのつきあいはこれで終わりだが、ここでさよならはいいたくない。ほんとのさよならはもういってしまったんだ。ほんとのさよならは悲しくて、さびしくて、切実なひびきを持っているはずだからね」  

 

どうだっただろうか。かなり独特の言い回しだと思うだろうが、これが気にならなければあなたはきっとこの本を読むときがきているのだと思う。

チャンドラーの「長いお別れ」は読むに相応しい時期にだけ読むべき一冊である。 

長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-1))
 
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[ま]素晴らしいエピソードに絶対感動というタイのLINEのCMは僕をさみしくさせた @kun_maa

こんにちは!涙もろくて泣き虫な男 @kun_maa です。

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3年ほど前にLINEのタイムラインに流れてきたタイのCM。以前からタイのCMのレベルの高さには一目置いているのでかなりの期待で胸を膨らませて観たのですが...

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この作品はLINEがタイで行った「LINEエピソード募集キャンペーン」に寄せられた実話の中から優秀なものに基づいて制作されたCMだそうです。

 

最近お母さんを亡くした少女Nuudeeとお父さんのお話。

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母親を失った心の傷が癒えることなく自分の殻に閉じこもるNudeeと、そんな彼女に対してどうしたらいいのかわからないお父さん。

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自分の部屋で母親の写真を見て泣いているNudeeのスマホにLINEの着信が......

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なんと亡くなったはずのお母さんからのメッセージです。幽霊かっ!タイ人が大好きな幽霊話なのかっ!

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実はお父さんが「なりすまし」で慣れないLINEのメッセージを入力してます。

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それを知ったNudeeは泣きながらお父さんに抱きつきます。めでたしめでたし。

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えーっと、このCMのどこがどう感動するのでしょう。僕にはぜんぜんわかりません。

同じ家に住んでいてわざわざ母親のアカウントでメッセージを送る父親がそんなに素晴らしいですか。感動的ですか。僕にはとてもそうは思えませんでした。

そりゃスポンサーがLINEなんだからこういう話が取り上げられるのは当たり前なのかもしれませんがそれにしたってこれはちょっとLINE寄りすぎじゃね?

僕の意見は偏見に満ちているので映像をご覧になっていただいた方がいいでしょう。

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このCMはタイ人から寄せられた実話だそうですから、本当にこういうことがあったのでしょう。それが僕にはなんともさみしく感じました。

だからLINEがスポンサーなんだからさ。そりゃわからんでもないけど...

 

僕の知っているタイ人の家族って、なんていうかプライバシーとか全然気にしないし、時に鬱陶しいくらい内面に入り込んでくるし、でもそれがなんとも言えず温かくて包容力をもっているはずだったんですけどね。

この例でいえばLINEでなりすましメッセージを送るんなんてことはせずに、どう対応したらいいかわからないけどとにかく元気づけるために体当たりしていく、悲しみを共有しようと抱きしめるってのが本来のタイの家族じゃないかなって感じなんですよね。

 

CMの舞台となる家はかなり立派だし、普通にスマホも使っているから中流かそれよりちょっと上くらいの都会暮らしの家庭なんでしょうね。父と娘以外登場しないから核家族ってやつですね。

おじいさんおばあさんや、よくわからない親戚の子供やら両親の兄弟やらがごちゃごちゃと一緒に暮らしていて、近所の人たちもなんだか知らんうちに一緒に飯食ったり酒飲んだりするような、僕の知っている鬱陶しいけど大好きなタイの家族とは違うんでしょう。これがきっと今の一般的な家庭なんでしょう。

そう思うと、なんだか自分の大好きなタイの一面がどんどん消えていっていることに無性にさみしさを感じました。

ただタイのことが好きで遊びにいっているだけの無責任な旅行者のノスタルジックな勝手な思い込みと願望ってやつなのかもしれませんが。

 

僕の大好きなタイ人の家族ってのは、次のようなCMの世界に登場する人々であって、決して同じ屋根の下でLINEのメッセージを送るような人たちじゃないんだよなあ。

 

 

僕は自分が知っている鬱陶しいタイ人家族への思い入れが強すぎるのでしょうか。もっっと素直に感動するべきなのかな。

いや、やっぱりこのLINEのCMの中の「タイ」は僕の大好きなタイじゃないんだよ。

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[ま]冬のイスタンブールでトルコ絨毯/僕の負けなのか @kun_maa

旅は心の栄養です。それにもかかわらずもう久しく旅に出ていません。栄養不足で心が今にも枯れそうになります。

だから僕はこうして昔の旅を振り返ってはそこに残された養分の欠片を拾い集めているのかもしれません。 

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飛んでイスタンブール

僕が子どもの頃「飛んでイスタンブール」という歌が流行りました。
庄野真代さん、お元気でしょうか。
 
この歌のサビの部分「飛んでイスタンブール♪ 光る砂漠でロール♫」は妙に耳に残る歌詞とメロディーで、いつの間にかイスタンブールは僕にとって「いずれ訪れる場所」となっていたのでした。
それもなぜか明るい太陽と砂漠と陽気なトルコ人があふれる素晴らしい街として。
ここでひとつだけ声を大にして言いたいのはイスタンブールに砂漠はない!  

冬のイスタンブールなんか行くもんじゃない

そんな僕がイスタンブールを訪れたのはもうかな〜り昔の2月のことです。
イスタンブールに向かう途中で飛行機を乗り継いだアムステルダムの空港ではこんな酷い目にも遭いました。 

kun-maa.hateblo.jp

 

冬のイスタンブールは毎日どんよりと曇り、時折雪が舞い散る寒くて気持ちまで暗くなるような街。

毎日、モスクから街中に流れる大音量の祈りの言葉で目が覚めました。
思い出すのは震えるような寒さと薄暗い空です。
モスクから流れる祈りの言葉はずしりと重く落ち込んだ冬の寒空との相乗効果で呪いの言葉にしか聞こえない。
 
たぶんあの祈りの言葉も夏の晴れ渡った爽やかな空のもとで聞いていたら、イスタンブールの印象も全く違ったものとなったことでしょう。
明るいイスタンブールに行きたいなら冬はやめた方がいい。
この時の旅で得た教訓のひとつです。

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トルコ絨毯

日本ではペルシャ絨毯の方が有名だけど、世界的にはトルコも絨毯の産地としては負けず劣らず有名。
 
この旅では自分用にトルコ絨毯を買おうと思っていたので、何軒も絨毯屋を見て廻りました。絨毯屋では最終的に買う買わないに関わらず商談中には必ず温かいチャイ(トルコのお茶)が飲めるので、寒い町歩きに疲れたときにはちょうどいいのです。
 
何軒廻ってみてもさすがに本物のトルコ絨毯の値段は高いです。
中でもシルクのものはとても手が出ないので、ウールで織られているちょいアンティークものを中心に探しました。
 
絨毯のモノの善し悪しなんて全く知識がないので、とにかくたくさん見て値段を聞きまくったのを覚えています。
トルコ商人の相手は一筋縄ではいきませんが、きめ細かい模様の古ぼけた絨毯はどれも美しく、売り込みにかかる商人の勢いを受け止める疲労感とウザさを加味したとしても見ているだけ楽しいものです。 

日本語を話す店員

何軒目かで入ったデパートの売り場で日本語が喋れる店員と仲良くなりました。
彼はいろいろな絨毯を広げてくれて、丁寧な説明付きでわかりやすく紹介してくれたのですがなかなか値段の折り合いがつきません。やはりいいものは美しくて高い......
 
チャイを飲みながら雑談の中で彼が僕にこう切り出しました。
「この店の絨毯はどれも品質は良いけどもちろん値段が高い。僕の知り合いがやっている店が近くにあるんだけど、そこはここと同じ品質でこの店よりも値段が安いんだ。そこへ連れて行ってあげるよ」
 
デパートの店員が仕事中に自分の店の商品ではなく違う店の商品を勧めてきた...その時点でこれは怪しいなと思うべきだったのでしょう。ましてや同じ品質で値段が安いなど怪しいにもほどがあります。
でも、その時の僕はそれまでの会話や彼の態度で彼をすっかり信用してしまっていて、見るだけでも行ってみるかと彼に付いていきました。
 
彼が連れて行ってくれたのはそのデパートから10分ほど歩いたところの、どこでも見かけるような普通の絨毯屋。
 
ここでもチャイを飲みながらいろいろな絨毯をたくさん見せてもらいました。
確かにデザインが気に入ったものもあり、相手が提示してくる値段もデパートに比べれば2〜3割安い。
さらにそこから値切り交渉を進めて約5万円の絨毯を1枚買うことに。
 
いつもなら一度頭を冷やして他の店との比較をするために、いったん店から離れたのでしょうが、その時の僕は絨毯選びに疲れていたのと、せっかく彼が勧めてくれたのに買わないと悪いかな?などと余計なことまで考えていたのでした。くそ真面目かっ!
 
店主の説明では「これは10年以上前に織られたアンティークもので凄くいい品物」だということでした。
僕は織り目や色の風合いをよく確かめて、ロクに知識もないくせに自分でも妥当なところだろうと思ったんですよ。これが決め手だ!って根拠はないんだけどさ。
金額的にも事前に調べた店やガイドブックで見たものと比べて妥当な感じ。トルコリラの現金はそんなにたくさん持っていなかったのでクレジットカードで支払いました。 

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そしてトラブルへ...

きれいに折り畳んでパッキングしてくれた絨毯を持って意気揚々とホテルに帰りました。いい買い物をしたなあと思ってうれしさでウキウキと舞い上がりながら。
 
ベッドに寝転んで、何気なく「地球の歩き方」をパラパラ見ていたらトルコ絨毯の見分け方のようなページがありました。なんで買い物をする前にこんな重要なページに気がつかなかったのでしょう。
 
内容が気になってパッキングされた絨毯の包装を少し破り、「地球の歩き方」に書いてあることをチェックしていきました。
ある1点を除いては、僕が買った絨毯はアンティークものに間違いないようでした。
そう、重要なある1点を除いては。
 
それは「新品の絨毯をアンティーク調にするために、ケミカルに表面を古ぼけさせているものがある。その見分け方として、ケミカル処理しているものは表面だけが古ぼけた色調になっており、本物は表面から奥まで同じ色調である」
 
よく見ると、僕が買った絨毯は表面だけが古ぼけた色調だったのです(涙)
 
すぐに買った店に電話を入れました。
トルコ語はあいさつ程度しか話せなかったので、ゆっくりと知っている単語だけを組み合わせて英語で。
 
僕の主張は、ガイドブックに書いてある偽物の条件に当てはまるから買った絨毯はアンティークではないはずだ。返品したいから金を返してくれというもの。
店主は当然拒否します。
 
電話でのやり取りではラチがあかないので、重い絨毯を持って直接店に乗り込みました。
本当はこの店を紹介した彼を連れてきて通訳させれば良かったのかもしれませんが、すっかり慌ててしまってそこまで頭が回りませんでした。
とにかく返品して一刻も早く金を取り戻す!この一点しか頭にありませんでした。
 
店で僕は電話と同じ主張を繰り返し、とにかく返品と返金を求めました。
店側は売った絨毯は本物のアンティークに間違いないし、カード決済の手続きも済んでいるので返品も返金もできないの一点張り。
話は平行線をたどり、とうとう日も暮れました。
 
他の品物との交換ならいいぞと店側が言い出したけれど、こちらはその時点でその店の全ての品物に対して信用できなくなっているので、そんな提案はもちろん拒否。
 
最終的に店側は「それほど偽物だと言い張るなら明日、博物館の人間に鑑定してもらおう。絶対本物だということがわかるはずだ」と言い始めました。
 
ゲームセット!......僕の負けです。
 
たとえその話に乗ったとしても鑑定をする博物館の人間が本物とは限らないし、仮に本当の博物館の人間だとしても金さえつかませれば「これは本物のアンティークに間違いなし!」と言わせることは簡単だからです。
挙げ句の果てに鑑定料まで請求される可能性があります。
 
百戦錬磨のトルコ商人に、ズブのド素人が勝てるわけもなかったのです。
 
わかった。もういい...絞り出すように絨毯屋に告げ、敗北感で泣きそうになりながらとぼとぼと重い絨毯を持ってホテルに帰ったのでした。
帰り道では雪まで降り出して踏んだり蹴ったり。毎朝モスクから流れるお祈りを呪いの言葉のようだと思った僕にアッラーはお怒りだったのでしょうか。 

その後

あれから23年が経ちました。
あのトルコ絨毯はずっと使い続けていますが型くずれもほつれもなく頑丈そのもの。
表面の色調が違って見えていた部分もいつのまにかなくなり、今ではなんの不満もありません。この調子で行けば、おそらく一生使い続けても大丈夫でしょう。
時々、ほこりを払って日光に当てたりしています。 

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結局、この絨毯が本物のアンティークだったのか偽物だったのかはわかりません。
でも23年たった今ではあのときに新品だったとしてもアンティークの仲間入りです。
結果オーライ。
 
今でも思い出すと悔しくてちょっと悲しい気持ちがよみがえりますが、これだけ長い間使えているんだからもういいかなって感じ。おかげで旅の経験値も格段に上がったことだしさ。
 
そうそう、ちゃんと本場のベリーダンスも見てきましたよ。なんか色ボケ観光客みたいだ。そうだろ、やっぱりそうか。だから素性の知れない絨毯をだな(ry

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イスタンブール路地裏さんぽ (地球の歩き方GEM STONE)

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